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(14)妊娠疑似体験 

おなかポッコリ 世界が変わる
絵・小山田徹
 「銀猫君、不思議だね…。本当に妊婦のおなかって、ポッコリと膨らむんだね。びっくりする勢いで大きくなっているのよ」
 もう赤ちゃん動いてるんじゃないの?
 「そう、ポコポコ動くらしいのよ。なんか僕ら男性からすると自分のおなかに動くものがいるって想像できないよね。ちょっとうらやましいなー。体験してみたいな」
 相棒よ、それだけは無理なんじゃないか?
 「この間ね、アトリエでさ、ペットボトルや工具などをかき集めて3キロぐらいにし、シャツの中に入れてみたのよ」
 おお、妊婦疑似体験!
 「重いねー。まー急にその重さを体に付けたから重く感じるのかもしれないけどさ。でもね、驚いたのは重さよりも、自分の足元が見えないことなのよ。慣れないと歩くのが怖いね。なんか世界が変わって見える感じ。いつもの仕事ができないものね。妊婦さんたちって大変だね」
 ほー、まじめに学んでるねー。
 「いすに座ったり、しゃがんだりするのも難しかったなー」
 あんたがいろいろ手伝わなきゃね。
 「そうだね…バスとか電車の乗り降りとかもね。ところで、銀猫君。君のおなかも結構出てるよね。足元見えてるの?」
 はいはい、どうせ私はメタボ猫ですよ。足元全く見えません!

【2008年7月14日掲載】