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(15)音楽発表会

世界は平和と希望に満ちている
 演歌のレパートリーが多い銀猫です。
 先日、相棒のコヤマダ氏は、息子トオキ君の保育園の音楽発表会に行って来たらしい。
 「銀猫君さ、人前で歌ったことある?」
 人前ではないけど、猫前は時々ね。
 「いやー、トオキが並んで歌い始めると、自分が舞台に立ったみたいにドキドキして落ち着かなかったなー」
 相棒よ、47歳にして、いよいよあんたも親らしくなってきたね。
 「うん、舞台のトオキと目が合ったら、思わず手を振ったりして、ちょっとはにかんだりしてさ…」
 ムフフ、典型的な親バカだねー。
 「みんな元気で無邪気でかわいかったなー。音程外れてもリズムずれても、大きな声で歌ってるのよね。なんかみんなで歌う楽しさを思い出したなー」
 思わず腰が動いて踊り出したりね。
 「でもね、多くの親がカメラやビデオで撮影しててさ、手拍子が打てないのよね。なんか撮影会みたいになってたなー。気持ちは良く分かるけどね」
 ウーム、みんなレンズ越しに子供を見てるんだね。ちょっともったいないね。猫の世界にはテクノロジーないからね…。
 「銀猫君、でもね、発表会の最中に後ろを振り返って親たちを眺めたらね、みんな目尻を下げてニコニコと笑顔で、とてもうれしそうだったのよね。それ見てたらさ、あー、世界は平和で希望に満ちていると思えたのよ」
 うん、子供と音楽は世界を変える力があるのかもしれないね。

【2008年7月28日掲載】