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(17)銭湯混乱

若者集団乱入で まるで戦闘状態
絵・小山田徹
 銭湯でさっぱりした後、少し涼しくなった夕暮れを散歩するのが至福の時の銀猫です。
 「銀猫君、毎日暑くて、汗だくベタベタで気持ち悪いね。バテそうだよ」
 相棒よ、こういう時こそ銭湯だよ。マイナスイオンたっぷりの銭湯!
 「うん、銭湯気持ちいいのはわかってるんだけどさ、先日、ちょっと悲しい出来事を銭湯で経験したのよね」
 眼鏡でも踏んで割ったのかい?
 「ううん。違うよ。こないだね、銭湯オレ以外に一人でさ、ほぼ貸し切りでゆったりと入っていたのよ」
 おー、銭湯貸し切り状態はぜいたくだよね。
 「そしたらね、大学生のスポーツクラブの一団が20人ぐらい入って来たのよ」
 御愁傷様。
 「みんな、お酒飲んでたみたいでさ、脱衣場から大騒ぎ、どやどや浴場に入って来て、かけ湯もせずに湯船に20人ギュギュウ詰めにつかり始めて、グチャグチャ…」
 そりゃ、ひどいね。
 「大声でしゃべるわ、水のかけ合いはするわのやりたい放題。あげくの果ては洗い場で大の字に寝始めたのよ」
 オオー、まれに見る修羅場だねー。
 「貸し切り一転、一挙におじゃま虫、先客2人がまんできずに退出」
 相棒よ、そういう時は大人がビシッと注意しなきゃ。
 「何が悲しかったかと言うとね、数に気圧されて何も言えずにそそくさと退散した自分が一番情けなかったのよね…」
 それは悲しいね…。

【2008年8月11日掲載】