京都新聞TOP > 文化・文芸・教育アーカイブ > 獣医が行く!
インデックス

(5)

水鳥・大トリ物帳!

 高さ約11m、直径21mの大水禽舎(だいすいきんしゃ)には、たくさんの水鳥が暮らしている。休園日の3月8日、約5年ぶりに全羽捕獲が行われた。羽数の把握、体重測定、マイクロチップの確認、そして、個体を判別しやすくするためのリングを両足につける作業が目的だ。

 段ボール箱が大水禽舎に運び込まれ、いよいよ捕獲開始。まずは、ひときわ大きなシュバシコウを捕まえる。3人の飼育員が息をひそめてゆっくりと近づく。振り下ろされた網から逃げた瞬間、首もととくちばしを押さえられ、あっという間の捕獲。続いてカモたちが次々と捕まえられて獣医の元へ。「飼育員がしっかりと持っていてくれるので、すぐに終わります」と、足にリングをつけていた伊藤英之さん(34)。

 グルグルと屋根いっぱいの高さを飛び回っていたウミネコやカモメ、ユリカモメたち。飛ぶ高さが落ち、飛行時間も短くなっていく。1羽、1羽と降りてきては捕まっていく。岩場の陰に隠れていたホオジロオナガガモが最後に捕まった。

 20種類89羽。前回のときより2種類15羽減っているが、去年4羽のマガモが生まれている。羽数を増やしたい種と、維持したい種を調整しながらも、なるべく自然な状態での繁殖を待つ。調査が終わり、段ボールから解放された水鳥たちは水に潜り、羽づくろいをし、騒がしい一日を終えようとしていた。