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交差点

ビルの谷間を彩る虚像

 この季節、日が暮れると風が少し肌に冷たい。秋の深まりを感じながら烏丸通三条を東に向かう。交差点の赤信号で立ち止まったついでに、持っていたジャケットに袖を通した。
 視線を上げ見渡すと、赤と青、大小さまざまな歩行者信号が、店舗の明かりにまじって宵闇に点在している。
 実像の信号と、周りのビルの曲面ガラスに反射して見える虚像。ガラスに囲まれた信号の織りなす不思議な光景を、流れるようにシャッターを切る。信号が変わる。虚像に惑わされず、真っすぐな視線で歩く若者らが、たくましく見える。


【2008年10月22日掲載】