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外国航空機安全対策官

増便で問題続出 新設へ
国内で外国航空機が関係した最近の主な事故と事故の兆候
  国土交通省が、来年度予算の概算要求に「外国航空機安全対策官」の配置を、新規施策として盛り込みました。対策官はどのような仕事をするのでしょう。
  日本に乗り入れている外国の航空会社が安全に運航しているかどうか監督します。各社の基礎情報を集め、直接訪れて事情聴取もできるようにします。
  新規施策を打ち出した背景には何が。
  日本の空港で、外国航空会社の発着便が増えていることが挙げられます。国交省国際航空課の調べでは、資料のある二〇〇三年四月の外国航空会社定期運航は週千百七十九便でしたが、今年四月には二千九百八十九便に増えました。特に、アジアの航空会社が日本の地方空港に乗り入れるケースが目立つようです。これに伴い事故やトラブルも増加する恐れがあるといえるでしょう。
  実際にトラブルがあったのでしょうか。
  十月二十日に関西空港で、那覇発の日航機が着陸しようとした滑走路に、カナダ機が進入しました。日航機が着陸をやり直したので大事には至りませんでしたが、重大な過失があったとみられます。また、八月には那覇空港で中華航空機が炎上しました。乗客らは全員脱出しましたが、テレビのショッキングな映像を覚えている人も多いはずです。
  これまで外国の会社を指導するポストはなかったのですか。
  日本の航空会社に対して国交省は立ち入り検査権限を持ち、各分野ごとに運航審査官、航空機検査官、航空管制運航情報官を配置し、航空機の安全性に目を配っています。
 しかし、外国の航空会社については、本社のある国が責任を持つのが原則となっており、国際民間航空条約でも自国主義が掲げられています。このため、安全対策官のようなポストはこれまでありませんでした。
  具体的にどのような人を選び、どのような活動をする計画ですか。
  国交省が配置する安全対策官は一人ですが、これに数人のスタッフを付けて活動する予定です。まずはトラブルを起こした外国航空会社の日本支店に安全対策を指導することになりますが、二国間航空交渉などで培ったチャンネルを活用して本社のある国の省庁に働き掛けることもあるとみられます。
  既存の航空・鉄道事故調査委員会と活動分野が重なるのでは。
  調査委員会の仕事は、事故やトラブルの原因を究明することです。一方、安全対策官は外国航空会社に対し、具体的な安全対策を指導します。今後さらに外国からの乗り入れ便が増加すると予想されるだけに、実効性のある指導をすることが求められるでしょう。

【2007年11月1日掲載】