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| 2011年を前に、浄土真宗本願寺派の大谷本廟(西大谷)では来月から親鸞聖人七百五十回大遠忌の法要が始まる。境内では準備の真っ最中だ(京都市東山区) |
仏教でいう「遠忌(おんき、えんき)」とは亡くなった人に対する十三回忌以上の年忌法会のことですが、今は主に、各宗派で宗祖や開祖の遺徳をたたえる50年ごとの大法要を指します。これにあわせて宗派では本山を中心にして記念事業に取り組み、開帳や展覧会、イベントなど私たちが参加できる行事も数多く企画されます。折しもいま、法然、親鸞といった高名な僧侶の遠忌が近づいています。
珍念くん 本山が集まる京都や滋賀では遠忌が相次ぎますね。
和尚さん 大遠忌、御遠忌、遠諱(おんき)など呼び方は違うが、教科書にも載っている開祖、宗祖クラスの人たちの遠忌が続く。
特に2011年は注目じゃ。浄土宗の祖・法然上人の八百年、浄土真宗の宗祖・親鸞聖人の七百五十年が重なるからのう。
たとえば真宗大谷派(本山・東本願寺)では、11年の秋の報恩講までに5回の大きな法要があり、それまでにも「お待ち受け」として全国から門徒が集う。寺宝を集めた展覧会や国宝「教行信証」の復刻をはじめとする出版、講演会、記念歌作りも手掛けた。最大の事業は御影堂と阿弥陀堂の修復で、7月には御影堂の工事用素屋根がスライドして、5年ぶりに瓦をふき替えた壮麗な姿が現れたのう。
珍念くん 遠忌は昔も、にぎやかだったのですか。
和尚さん 江戸末期の西本願寺での親鸞聖人六百回大遠忌の様子を記録した文書では「諸国参集の法中ならびに門徒でさしもの境内も埋めらるるばかり」で、法要が終了した真夜中には、混雑で街道を渡って家に帰るのも大変だったそうじゃ。
遠方の門徒にとって本山へのお参りは一生に一度の一大事。同じ行くなら巡り合わせた大遠忌に参じたい。京の都は参拝者を迎えて経済的にも大いに潤ったというぞ。
このほか、法然上人の遠忌を紹介する浄土宗総本山知恩院のホームページには、江戸期に3度出版された「華頂山大法会図録」の一部が載っている。勅使を迎えた盛大な法要や六斎念仏を踊る人々の様子が活写されておるぞ。まちを祝いの花電車が走る昭和30年代の写真も興味深いのう。
珍念くん 最近、西国三十三所観音霊場のご本尊が次々とご開帳されているのも、遠忌のかかわりと聞きました。
和尚さん 平安中期の花山法皇は出家後、奈良時代の僧、徳道がひらいた巡礼の道をたどり「三十三所巡礼の中興の祖」と言われた。開帳は昨年の花山院一千年遠忌を記念しておる。
今後も三室戸寺(宇治市、84年ぶり)、三井寺(大津市、29年ぶり)、長命寺(近江八幡市、61年ぶり)などで素晴らしい秘仏が拝観できる。
珍念くん お寺以外では、どんな話題があるのですか。
和尚さん 伝統文化の世界でも遠忌を大切にするのう。
たとえば、千利休の孫、宗旦の三百五十年遠忌。「わび茶」を大成した宗旦は3人の息子を茶家にしたが、それが表、裏、武者小路の祖となった。一昨年の遠忌では三千家が合同法要を行い宗旦をしのんだ。家元が一堂に会して交流するのは珍しい。
遠忌は原点に帰り、新たに縁を結ぶよい機会にもなるのじゃな。
2000年以降の主な遠忌
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