京都新聞TOP > 文化・文芸・教育アーカイブ > 知ってナットク
インデックス

日本相撲協会理事

理事は一門の利益代表
理事選の立候補者

 大相撲を運営する日本相撲協会の理事選挙が、きょう2月1日に実施されます。角界改革を掲げる貴乃花親方(元横綱)が二所ノ関部屋を離脱し、理事選立候補を表明しています。二所ノ関一門は別の3親方を理事候補とし、貴乃花親方を支持する6親方は一門を事実上離れました。選挙の行方が注目されます。

 勝子 理事ってどんな仕事をするんですか。
 猛男 相撲協会の意思決定機関である理事会のメンバーとして重要事項を決めます。また、審判部長などの要職を任されます。協会トップの理事長は理事の互選で決めます。力士経験者で「年寄」と呼ばれる親方が定員10人の理事になるには、2年に1度の選挙で当選することが必要です。
 勝子 選挙の方式は。
 猛男 親方107人、立行司2人、大関以上の日本人力士2人の計111人(1月22日現在)の「評議員」による投票です。投票者は無記名で候補者1人を書きます。
 勝子 無投票で決まることが多いそうですが。
 猛男 一般的な選挙とは実情が違います。角界には系統別に分かれた「一門」と呼ばれるグループがあり、各一門内で立候補者を事前調整する慣習があるからです。理事は一門の利益代表でもあるので、確実に当選させて理事会に送り込むのが狙いです。現在は五つの一門があり、所属する評議員数が票数につながるため、一門の規模が理事枠の数に反映されます。
 勝子 なぜ貴乃花親方は一門を離れたんですか。
 猛男 今回、二所ノ関一門で現有の3枠を上回る4人が立候補の意思を表明しました。同一門の持ち票はその時点で29だったので、4人全員が出馬すると、当選ラインとみられる10票前後に届かない候補者が出て落選する恐れがあります。理事選は年功序列を重視するため、4人で一番年下の貴乃花親方に立候補をやめるよう説得があったといいます。しかし、本人の決意は固く、立候補者を絞り込もうとする一門の総意と違うため飛び出しました。
 勝子 波紋は大きいのですか。
 猛男 はい。貴乃花親方を支持する6人の親方も二所ノ関一門から事実上、破門されました。こうした内紛を目の当たりにし、他の一門の中堅、若手親方を中心に年功序列で理事を決める古い体質に疑問の声が広がっています。以前より存在意義が薄れている一門制度自体を見直そうという意見も出てきました。角界の伝統を揺るがしかねない問題であり、一部の親方から改革の切り札と期待される貴乃花親方の行動は影響を残しそうです。
 勝子 選挙の見通しは。
 猛男 立候補者は11人。投票は4期8年ぶりです。当選ラインは10票前後とみられ、貴乃花親方の当選には二所ノ関一門以外からの支持が必要です。同調する中堅や若手の親方はいますが、実際の投票に結びつけられるかどうかに注目が集まります。

【2010年2月1日掲載】