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甲賀市元職員ら有罪 高知地裁

娘の死、無駄にしないで 事故4年、遺族の悲しみ癒えず
 高知県の四万十川で甲賀市教委主催のキャンプ中に女児2人が水死した事故で、高知地裁は26日、引率責任者ら2人の過失責任を認め有罪判決を下した。31日で事故から4年を迎えるが、遺族の苦悩と悲しみが癒えることはない。後を絶たない子どもの水難事故や、行政の管理責任に厳しい目を向けながら、「娘の死を無駄にしないでほしい」と再発防止を強く願う。
 「娘は外で遊ぶことが好きだった。今の時期になると特にそういう姿を思いだす」。亡くなった藤田真衣さん=当時(10)=の父正直さん(48)は話す。「なぜ行かせてしまったのか」との思いは消えることはない。
 4年間は闘いの日々だった。個人の責任ではなく、組織の管理責任を厳しく問うてきた。事前に計画書を作らず、安全をチェックしていなかった市。引率者も野外活動の専門的な講習を受けていない。ずさんな管理の結果、現地で川の状況が十分に把握されず事故を招いた。
 遺族と真剣に向き合わない市の態度や曖昧な調査結果などからは、本気で再発防止に取り組む姿勢が感じられなかった。いたたまれず、事故現場に足を運んだ。「本当に子どもらの異変に気付かなかったのか」。思いがこみ上げ、市に何度も手紙を出したり足を運び、危機管理の専門家を迎え入れる必要性などを自ら提案してきた。甲賀市は、08年度から年4回、職員を対象に野外活動時の安全研修を行い、引率の注意点や心肺蘇生法を学ぶ。引率者が必ず川に入って安全確認することなどを明記したマニュアルも作成している。
 美馬沙紀さん=当時(11)=を亡くした父崇宏さん(43)は「何を言ってももう娘は戻ってこない。こんなことは二度と起きてほしくない。判決の内容を市の末端の人たちまで受け止めてほしい」と静かに話した。藤田さんは「このままだと再び不幸なことが起きかねない。組織の問題として市は責任を真剣に受け止めてほしい」と訴えた。