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フジタカ社長 高井保治さん(75)

たばこ自販機に別商品 「コンビニ化」で高収益

 −たばこと別の商品を同じ機械で販売する新発想の自動販売機「ウルトラベンダー」を開発しましたね。

 「近年、健康への配慮から、たばこの消費は減少傾向にあるうえ、規制緩和でスーパーやコンビニでも販売できるようになり、たばこ店の経営は厳しくなっています。そこで、たばこ販売の実績を利用して、例えばたばこと飲料を同じ自販機で売ることで、両方の収益が見込めると考えました。店主が自前で自販機を購入し、独自の発想で安く手に入れた商品を販売して収益性を高める提案もしています」

 −その自販機で売るユニークな商品も提案しています。

 「飲料だけでなく、固形物も選択肢に入ると気付き、人気ラーメン店と共同開発した『札幌らーめん缶』や、『おでん缶』も提供しています。温めたり冷やしたりの、消費者のわずかな手間を自販機で省く。それだけで売れています。今の商品の流通で、消費者の満足できる物を提供できるのはコンビニでしょう。だから、そのコンビニに代わる自販機を目指しています」

 −脱フロンで注目をあびる電子冷却素子ペルチェ・モジュールにも力を入れていますね。

 「オゾン層の破壊につながるフロンガスに替わるものとして開発しましたが、新しい冷却システムを応用して冷蔵庫などの商品を開発しています。まだ、研究段階ですが最終的に自販機にも取り入れて環境への負荷軽減を図りたい。その可能性が見えつつあります」

 −介護福祉事業にも着手しましたが。

 「その分野は、まだ勉強の段階。地元貢献の一つでもありますが、単にお年寄りの面倒をみるという介護ありきの発想でなく、お年寄りが元気に生きていける提案ができるよう努力したい」

 −長岡京市商工会長の立場からみた地元の商工業の現状は。

 「たばこ店と同様に商店の経営全体がおかしくなっています。これまでの経営意識では運営できなくなってきました。乙訓地域を見てもシャッターが閉まった商店が増え、商店街として成り立たない所もあります」
 「商店主の方々が頑張って新しいことに挑戦していかないと、乙訓は京都市に吸収されるのではと心配しています。地域が繁栄して生き残れるための土壌をつくることを、これからのライフワークにしたい」

◇  ◇

 乙訓経済界の経営者らは、景気が低迷する中でも独創性やチャレンジ精神で社業を盛り上げてきた。新たな分野を開拓したり、効率的な企業運営を目指す経営者らに、現状や課題、目標、特色などをざっくばらんに聞く。(佐々木伸次)
 毎月最終の木曜日に掲載します。
<企業メモ>
 本社・長岡京市神足神田。1917年に創業し、1950年に会社を設立。従業員数はグループの関連22社のパートを含め約2200人。グループ全体の売上高は約500億円(2005年度)。

[2007年5月31日掲載]