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大日本科研社長 岡本光三さん(67)

半導体用露光機基本に 大型パネル受注増期待

 −創業の経過や扱う製品を教えてください。

 「今年2月に、創業40周年を迎えました。島津製作所の協力工場だった杉原精機製作所の開発グループの技師8人が、請負ではない新発想の自社製品をつくりたいと立ち上げました。わたしは創業2年後から加わりました」
 「最初は、光学技術を取り入れた半導体用露光機でした。その露光機は、半導体や液晶パネルの基板作製に使いますが、感光剤を塗ったシリコンやガラスの基板に特殊な光を均一に照射する高度な技術が求められます」
 「以来、この露光機を基本に、精密機器や計測器の設計と製作などを手掛けていますが、分かりやすく言うと携帯電話やゲーム機をはじめ、液晶やプラズマテレビのパネルなどの製造には欠かせないものです」

 −1974年に本社と工場を向日市へ移しましたね。

 「京都市上京区に本社置き、南区の工場の一角を借りるなどしていましたが、縁があって今の場所に来ました。本来なら、鉄道のすぐそばで精密機器の製造などに適さないと思われる場所ですが、粘土質で何ら影響がなかったんです」
 「市の玄関口のJR駅前に会社があり、市民の方々の目にもとまる。社員には常々から、意識してお世話になる市民の方々に信頼される言動を呼び掛けています。清掃活動や商工会活動などを通じて地域の方々と積極的にかかわっていきたい」

 −現在、力を入れている分野は何ですか。

 「一昨年に、プラズマディスプレー用大型露光機の専用工場を開設して、42インチのパネルが一度に8枚つくれる機械製造が可能となりました。これから、パネルの大型化と需要の伸びが予測され、受注の増加に期待しています」
 「新たな展開を目指して米国の半導体開発ベンチャー企業との合弁会社を立ち上げたほか、医療・健康機器や自動車の安定制御など他用途に応用できる微小電気機器システムの開発や、国の支援を受けての新たな露光機の開発などにも力を入れています」

 −絶えず新たなことへの挑戦ですね。

 「先端企業の難しい要望に応えてきたことで、社の技術力も高まりました。だから、皆さんに『育てていただいた』との思いが強い。ただ、新しい技術開発には資金が必要で利益が出ない年もあって、その差が激しい。場合によって、厳しい決断も迫られます。それでも、信頼される技術力を持ち続けるためには頑張るしかないんです」
<企業メモ>
本社・向日市寺戸町久々相。本社工場を含め、京都市内5カ所に工場を持つ。社員数は約150人。昨年度の売上高は約61億円で、経常利益が約2億5000万円。

[2007年6月28日掲載]