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トーセ社長 齋藤茂さん(50)

ゲームソフト企画開発 裏方のナンバーワンに

 −創業の経緯は。

 「1979年に東亜セイコーから分離独立して創業しましたが、きっかけは業務用ゲームの企画開発。当時、一般社会では業務用ゲームのイメージが悪く取引先からクレームがついたからです」
 「過熱気味だった業務用ゲームの人気は急激に下火になり、83年に家庭用ゲーム分野の企画開発に変更しました。その年、大手メーカーが家庭用テレビゲーム機を発売、ゲームの受託開発を引き受け、仕事が急増しました。結婚間もなくでしたが、徹夜の連続で仕事に追われました」

 −「縁の下の力持ち」が経営の基本とか。

 「当社は単なる下請けではなく、企画提案し、互いが競争しあっている会社からも開発業務を受託する裏方のナンバーワンになろうと思いました」

 −業績が好調ですね。

 「創業以来28年間、一度も赤字がない。人も増え会社は大きくなりました。今はゲームソフトや携帯電話のモバイルコンテンツの受託開発と、そのコンテンツのサーバーの運営などを手掛けていますが、変わらず裏方に徹しています」

 −株式上場も大きな転換期になったようですね。

 「95年の阪神淡路大震災の際に、積極的にボランティア活動をしたことも要因となっていますが、次のステップに移る気持ちになりました。そこで、株式の上場に向けた中期的目標を掲げて取り組むことにしました」
 「調べたら上場の手続きに3年かかることが分かり、ミレニアムの2000年までの、99年の上場を目標に取り組みました。すると、社員の意識が高まり、さらに利益も上がりました。現在、東証と大証の一部に上場し、会社の信頼を高めています」

 −たくさんのソフト開発にかかわってきた。

 「これまでに開発したソフトは合計1479タイトルになります。中でも家庭用ゲームが879タイトル、携帯用コンテンツが485タイトル。年間では百数十タイトルを手がけ、これほどの実績のある会社はないと思います」
 「信頼の置ける会社には、良い条件の発注をしてくれる。だから、ヒットする確率が高く、当社にも大きな収益が入るという良い循環が生まれました。携帯電話も技術発展が著しいですが、内容が高度化するほど一般の受託開発会社では対応できず、当社に仕事が回ってくる」

 −今後の進む方向は。

 「ホールディングカンパニーをつくって、その会社を中心にトーセグループとして、それぞれの子会社が切磋啄磨(せっさたくま)する。いろんな業界の裏方として、ナンバーワン企業がいっぱい出てくる。そんなグループ経営を目指しています」

 −乙訓に住む理由は。

 「都会でもなく、田舎でもない中途半端なところがいい。自然もあって、癒やしがある。この適度さがいいんです。趣味で、近畿各地のゴルフ場にも行きますが、ここは高速道路のインターチェンジもあって、交通の利便性にも恵まれ、暮らしやすい」
<企業メモ>
 本社・京都市下京区東洞院通四条下ル。本社含む国内7事業所と、国内外の子会社5社。連結で従業員数は639人。昨年8月決算の売上高は49億円で、経常利益は8億2000万円。

[2007年7月26日掲載]