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東洋ライト社長 畑宏明さん(54)

絶縁材料など製造、販売 本社移転でニーズに即応

 −創業の経緯は。

 「1956年に大阪府吹田市で、絶縁材料の販売会社として創業しました。その後、間もなく、わたしの父が製造も開始して、合成樹脂積層品で主に電気絶縁材料を製造、販売する会社としてスタートしました」
 「高度成長期で、各地で変電所や発電所が建設されていたこともあって、仕事は順調推移しました。絶縁材料は布や紙、ガラスなどに樹脂を浸して硬化させ製造しますが、発電所や変電所の部品で、一般にはなじみが薄い製品です。身近に見ることはできませんが、電柱に設置された変圧器の中に当社の商品が数多く入っています」

 −手掛ける製品内容は。

 「絶縁材料以外では船舶用のかじの軸受けや製鉄所で製造する鉄板を傷つけない製鉄用ロール、金属箔(はく)やフィルムを巻くしんなどの工業材料も供給しています」

 −その中で主力製品は。

 「今の主力は静電気を起こさない円筒形の巻きしんです。近年、花形の液晶テレビやプラズマテレビなどで使用される高性能光学フィルムを巻き取る際に使用しますが、大手フイルム製造メーカーや加工メーカーに幅広く利用されています」

 −石油高騰の打撃を受けている。

 「当社も、他のメーカー同様に石油関連の材料が多く、原材料費の高騰のあおりを受けています。また、世間一般的な価格破壊の傾向もみられ、従来から進めるコストダウンではユーザーのニーズに対応できなくなっています。これからの時代は、当社独自の方式での生産手法を模索する必要があると考えています」

 −今年7月に本社を移転した。

 「先に製造分野が向日町工場に移っていて、営業と管理部門が吹田にありました。営業が顧客のニーズを聞き、それを具現化して提案していくべきですが、離れていると製品に反映しにくくなります。それに、乙訓地域での地元雇用の社員が多く、職住接近で気持ちにゆとりが出ると仕事にも波及すると思います」

 −環境への認識も深い。

 「環境の問題は、特に製造業を営む会社にとって避けて通れません。当社は化学工場として、品質管理の国際規格のISO9001より先に、環境管理規格のISO14000を取得して全社で共有して取り組み成果を上げています」

 −地域への思い入れが強い。

 「父は、この地で生まれ育ち、旧乙訓郡全体への思い入れがありました。恐らく、将来を思い描いていたと思いますが、わたしが20歳の時に病気で急死してしまい、意志半ばにして果たせませんでした。そういう話もできずに亡くなったことを残念に思います。わたしが小学6年生の夏に父が、旧向日町に家を建て、京都工場内にあった寮から引っ越してきましたが、わたしにとってもふるさとで今後とも、この地で仕事をしていきたい」
<企業メモ>
 本社・向日市鶏冠井町四ノ坪。資本金は7500万円。社員はパートを含む130人。売上高27億円。「自立」「創造」「共生」の三つを企業理念に掲げている。

[2007年10月25日掲載]