京都新聞TOP > 経済特集アーカイブ > 独創にかける乙訓経済
インデックス

NKE社長 中村道一さん(44)

ニーズ先取りシステム開発 顧客の声に支えられ
中村道一さん

 −創業の経緯を聞かせてください。

 「父の圭二会長が、1968年に京都市内の大手制御機器メーカーから独立して自宅の一室で、機器設計事務所を立ち上げました。創業して間もなくは経営が厳しい時期もありましたが、製造機器や組み立て生産ラインのシステムなどを開発して業績を伸ばしました」

 −その機器とシステムとはどのようなものですか。

 「エアを用いて『つかむ』や『回す』などの機能を持つ製造機器や、コンベヤーの長さをミリ単位で選べる搬送機器で、その各機器のユニットをブロックごとにばらして容易に組み替えられるシステムです。これだと、生産ラインの組み替えに伴う経費が大幅に軽減できます」

 −組み替えには配線の省力化も求められた。

 「生産ライン変更では、複雑な配線をつなぎ直す手間と費用が必要でした。それで、制御機器とユニットの端末機器間を結ぶ大量のケーブルを一本に簡略化する省配線システムも早くに開発しました。ライン変更の工期短縮や省スペースなどに役立つシステムで、業績をさらに押し上げました」

 −それらの開発は顧客ニーズから生まれた。

 「顧客の方々から、いろいろな話を聞かせていただき、その声に応える中で商品を開発して、ここまで育てていただきました。顧客の声に応えることができるかどうかが、一番の制約条件だと思います。今も多様な話を聞かせていただきますが、その声を真剣にとらえて実現できるのかが問われていると思います」

 −これから進もうとする方向性を教えてください。

 「これまで、どちらかというと各機器のパーツ販売に重きを置いていましたが、システム全体の販売に比重を置こうとしています。販路も、今まで京都を中心に、関西から名古屋圏が主体でしたが、東にも進出していきたい。その顧客の方々の声に即応するため、東京営業所に技術担当者を配置しました」

 −経営方針や理念を話してください。

 「社員の顔が見え、名前も一致する規模の企業です。信頼関係を基本に置いて、一人一人が働きがいのある人を中心にした企業にしていきたい」

 −社長にとっての乙訓地域とは。

 「京都出身の優れた企業もあって縁起のよい地域で、交通の利便性にも恵まれています。わたし自身は地域と隣接する京都に住んでいますが、生活圏が一緒で地元との思いが強い。ウオーキングが好きで、自宅に近い竹の径(みち)なども歩きますが車の音も聞こえないので癒やされます」
<企業メモ>
 本社・長岡京市馬場図所。京都と大阪、名古屋、東京各営業所と伏見工場、中国や韓国など海外13都市に代理店がある。資本金は2億9700万円。パートを含む社員数は120人。売上高は21億4000万円。

[2008年5月27日掲載]