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サントリー京都ビール工場長 尾野 眞一さん(50)

3R推進で総理大臣表彰 地域環境保全活動に貢献
尾野 眞一さん

 −工場開設の経緯や役割を教えてください。

 「当社は1963年からビール事業を始め、武蔵野ビール工場に次いで69年に前身の桂ブルワリーが開設しました。何よりも、ビール造りに適したミネラルを適度に含む軟水の地下水が豊富にあったから、この場所を選んだと思います。2000年にビール造りの心臓部の仕込み室を一新して改名しました。主に東海・北陸地方から中国・四国地方までを担当する西日本の拠点施設です」

 −どのような商品を製造していますか。

 「当工場は年間30万キロリットルの製造能力を備え、製造実績もほぼ同数。ビールのザ・プレミアム・モルツや発泡酒のダイエット、第三のビールの金麦など当社が扱うビール類のほぼすべての銘柄を扱っており、当社全体の40%を製造しています」

 −環境保全の取り組みで内閣総理大臣表彰を受賞しましたね。

 「リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰の最高賞をいただきました。新しい施設なら必要な設備も整えられますが、当工場は来年が40周年の施設であるため環境問題に対応する工夫をしてきました。省エネと省資源、再資源化率100%のごみゼロ運動、環境に優しい商品を使うグリーン購入の推進、西山森林整備など環境保全を通じた地域との連携と普及活動などに取り組んだことが総合的に評価されたと思います」

 −地域貢献活動に積極的に取り組んでいる。

 「地域のイベントや出張授業で水の大切さに理解を深めていただいたり、西山森林整備も資金協力だけでなく社員がボランティアで活動に参加しています。守るべきものはいろいろありますが、環境を守ることで持続可能な社会が実現できる。乙訓の環境を守ることは、結果的に当社にとって命の水を守ることにもなります」

 −工場見学が人気を集めていますね。

 「工場開設当初から行っていますが、事業に理解をいただくための地域の方々とのコミュニケーションの一つ。その根底には乙訓の、京都のビールと言われたいとの思いもあります。見学後に試飲をしていただきますが、何と言ってもビールは新鮮なものがおいしい。当初は年間1万から1万5000人程度でしたが、最近では施設の受け入れ限度いっぱいの約12万人で推移しています」

 −乙訓での勤務は2度目のようですね。

 「入社当初の六年間、桂ブルワリーで勤務してビール造りを学び、みなさんに育てていただいた。地域も所々で様変わりしていますが、親しみのある場所も多く残っていて何の違和感もなく帰ってこられました。大阪の自宅から通え、心身的にも楽になりました。お世話になった方も多く恩返しがしたい」

<企業メモ>
 本社・大阪市北区堂島浜2丁目。京都ビール工場は長岡京市調子3丁目。グループ会社は182社。従業員数は20790人で、同工場は145人。連結売上高1兆4948億円、連結経常利益は758億円。

[2008年11月25日掲載]