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関西国際空港会社社長 村山敦氏

第2滑走路で貨物便増期待
むらやま・あつし 京都大法学部卒。1961年に松下電器産業入社。コンプレッサー部門を長年担当し、95年に取締役就任。常務、専務を経て2000年に副社長。03年から現職。京都市出身。68歳。
 関西国際空港の第2滑走路の供用開始が約5カ月後に迫った。国際ハブ空港の地位確立に向けた第一歩といえるが、ターミナルなどの付帯施設は整備時期が決まっていない。来年度目標の発着回数13万回をどう達成するかも課題だ。今後の戦略について、関空会社の村山敦社長に聞いた。

 −第2滑走路の供用開始を今年8月2日に予定する。何が変わるのか。

 「着実に増えていく国際航空需要に対応するうえで、第2滑走路は非常に重要だ。ピークタイムの発着能力向上で航空会社が路線展開しやすくなり、旅客増につながる。深夜帯の活用で貨物便を増やせるし、広大な二期用地には貨物施設も整備できる。荷物の集散地としての国際空港に発展する方向性も見えてきた」

 −二期用地における貨物施設の整備見通しは。

 「国は二期用地の上物建設を需要に即して判断する方針だが、航空貨物の増加を考えると貨物施設は早くやらないといけない。一期用地は完全に埋まっている。できれば来年度、遅くとも再来年度には間に合わせないと貨物増に対応できない」

 −2006年の発着回数は約11万5000回だった。来年度目標である13万回の達成見込みは。

 「貨物便が伸びるし、旅客便も夏ダイヤで国内線を中心に増える見通しだ。12万5000回はまず超えるだろう。13万回達成は国際線がどれだけ伸びるかにかかっている。航空会社には今、原油高による燃料費増加という逆風が吹きつけている。特に北米路線は価格競争が厳しいうえに距離が長いため、リストラが進んだ。関空の北米路線はピークの週68便に対し、今や週14便。これを回復することが重要だ」

 −開港1年が過ぎた神戸空港の影響はどうか。

 「影響はほぼない。関空が関西の空港利用客に占めるシェアは神戸開港前と後で変わっていない。神戸空港は初年度黒字を達成したのだし、これ以上拡張しようと無理をする必要はない。伊丹も含めた3空港で互いに足を引っ張り合うようなことがあってはいけない」

 −3空港を一体運営すべきとの意見もある。

 「関空は株式会社、伊丹は国営、神戸は市営と、運営形態がそれぞれ異なるので、かなり考える必要がある。関空が主導してやれというならやるが、そう簡単ではない。むしろ、今は関空会社の完全民営化の方が重要だ」

 −関空の発展において京都に期待する役割は。

 「京都の人たちの関空に対する姿勢はちょっと半身では。もっと関西という視点に立ち、関空に対して『おらが空港』という地元意識を持ってほしい。関空への観光インバウンドが増えれば、文化首都である京都が大きな役割を負うということを自覚してもらいたい」
【2007年3月3日掲載】