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関西生産性本部次期会長(レンゴー社長) 大坪清氏

不公平感なくし労使に「和」
おおつぼ・きよし 神戸大経済学部卒。1962年に住友商事に入社。同社常務、副社長などを経て、2000年6月からレンゴー社長。段ボールリサイクル協議会会長も務める。07年5月30日に関西生産性本部会長に就任予定。大阪府出身。68歳。
 関西生産性本部の次期会長にレンゴーの大坪清社長がこのほど内定し、30日の総会で正式に就任する。自社では第3子が生まれた従業員に祝い金100万円を贈る制度をつくるなど、ユニークな経営で知られている。経営者と労働組合、学識者が参加する経済団体として、生産性向上や労働問題などにどう取り組むのか、抱負を聞いた。

 −次期会長としてみた関西生産性本部の課題は。

 「東京の社会生産性本部ができたのは、日本の戦後政治体制が確立された1955年。関西生産性本部はその翌年に発足した。それから現在に至るまで、労使と学識者が率直に意見を述べ合い、生産性向上の研究を通じて社会や経済の発展に貢献してきた。経済活動における55年体制を確立した組織といえるだろう」
 「しかし、近年は日本経団連や経済同友会、関西経済連合会などの活動が目立ち、生産性本部が経済界や労働界に与える影響は低下していると思う。いい提言やアイデアはもっと正当な評価が得られるよう、アピールする必要がある。メンバーに入っていない自治体との協力関係も築きたい」

 −自社での取り組みをどう生かしていくか。

 「生産性は英語で『プロダクティビティー』だが、これからは持続可能性を意味する『サスティナビリティー』も重要だ。効率的なものづくりだけでなく、環境問題にも取り組む必要がある。レンゴーでは本年度、工場に省エネ設備を導入するなどして、二酸化炭素排出量を1990年比21%削減する見込みだ。京都議定書が義務づけた6%削減を大きく上回っている。こうしたノウハウも生産性本部の会員に提供していきたい」
 「少子化対策も大きな課題だ。レンゴーでは第3子以降が生まれた従業員に祝い金100万円を贈る制度を昨年につくり、すでに20人以上に給付した。企業は、従業員が子どもを産みやすくなるようなインセンティブ(誘因)を与える必要がある」

 −格差をめぐる議論が活発だ。中でも非正規社員をどう処遇するかが社会的課題となっている。

 「全員を正規社員にできればいいが、正規社員に伴う転勤が嫌だという人もいる。パートや非正規社員も含め、転勤のあるナショナルスタッフと転勤のないローカルスタッフに分ける方法がある。基本給はもちろん異なるが、出張などの手当は一律にそろえて不公平感をなくすべきだろう」
 「生産性の向上には労使の『和』が何より大切だ。わたしはその『和』は5つあると思う。まず温和と調和、平和。全体をまとめ上げて力に変える総和も重要だ。それと日本民族を意味する大和(やまと)。グローバリゼーションの時代といわれるが、日本のやり方でいい部分は残していくべきだ」
【2007年5月5日掲載】