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関西経済同友会代表幹事(関西電力副社長) 齊藤紀彦氏

経営層がCSRに自覚を
さいとう・のりひこ 東京大大学院修了。1970年に関西電力入社、京都支店次長、常務などを経て2005年6月から副社長。今年5月、関西経済同友会代表幹事に就任。福井県出身。61歳。
 関西経済同友会の新代表幹事に、関西電力の齊藤紀彦副社長がこのほど就任した。送電線や変電所などを管理する流通部門を歩んだ生粋の技術者だ。自身の経験をどのように活動に反映していくのか、抱負を聞いた。

 −活動の柱は何か。

 「イノベーション(技術革新)とCSR(企業の社会的責任)をセットで取り組みたい。イノベーションは、人間の知恵で先端を切り開くということ。例えば、関西ではロボットやバイオ、IT(情報技術)などの先端分野の科学技術を研究する動きが始まっている。こうした取り組みが加速するよう、多くの知恵を集める必要がある」
 「関西にはわたしが会長を務める大阪科学技術センターをはじめ科学技術の振興を議論する団体が複数ある。同友会が潤滑油となり、これらの団体が有機的に連携する仕組みをつくって、関西の発展に貢献したい」

 −CSRでいえば、自社の美浜原発蒸気噴出事故や尼崎JR脱線事故など、企業の安全を巡る事件が相次いでいる。自身の経験をどう生かすか。

 「イノベーションが人間の知恵ならばCSRは倫理や道徳に相当する。企業の基盤をなす部分だ。そういう面からみれば、当社も美浜で厳しい経験をしたし、他社でも同様の事例が跡を絶たないでいる。企業の経営層がきっちりとCSRに自覚を持つことが必要だ」
 「CSRには2つポイントがある。一つは時間的に継続すること。もう一つは組織のトップから第一線まで同じ意識を共有することだ。これで完ぺきという方法はないが、マンネリや情報の断絶を避けるため、手を替え品を替え組織に刺激を与え続ける必要がある。それは自社の経験でいやというほど痛感した。経営者自身が外で刺激を受け、社内に自分の言葉で伝え続けることが大事だ。同友会としてもそうした機会を提供したい」

 −関西の経済団体は再編が必要だとの指摘もあるが、どう考えるか。

 「同友会は経営者が個人の資格で参加して自由な議論を行う場だし、企業代表が集まる関西経済連合会はそうした提言を受けて具体的に実行していく役割がある。それなりに役割を分担している以上、必ずしも団体を一つにするということには結びつかないと思う。もちろん、常に互いの活動が重複していないかチェックすることは大事だ」

 −同友会は道州制導入を強く主張してきたが、関西はとかくバラバラでまとまりにくいといわれる。どのように取り組むか。

 「関西は一つ一つという。各地域に特長があるのは強みだが、一体感という面では障害になることも十分考えられる。その克服が関西のチャレンジすべきことだろう。ただ、道州制を進めるうえでは国と道州の役割と権限の明確化が必要だ。まず分権を進めることが前提になる」
【2007年6月2日掲載】