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関西経済連合会副会長(NTT西日本社長) 森下俊三氏

関西の情報 東京にもっと発信を
もりした・しゅんぞう 名古屋大大学院修了。1970年に日本電信電話公社入社。NTT東日本副社長などを経て、2004年6月からNTT西日本社長。05年9月から07年5月まで関西経済同友会代表幹事。07年5月から関経連副会長。三重県出身。62歳。
 関西経済連合会の副会長に、NTT西日本の森下俊三社長がこのほど就任した。関経連は本年度事業にコンテンツ(情報の内容)産業の育成を掲げており、情報通信業界の代表としての指導力が期待されている。同時に就任した下妻博会長が掲げる関経連の事業見直しも含め、抱負を聞いた。

 −情報通信分野での活躍が期待されている。

 「ブロードバンド通信の時代となっただけに、コンテンツ産業の育成は非常に重要だ。コンテンツには映画やテレビ番組のほか、関西の特長である歴史遺産や伝統芸能などもある。京都に集積しているゲーム産業もそう。博物館が死蔵している史料もコンテンツにして閲覧できるようにすれば、考古学の研究を促進させられる。こうした幅広い素材をまとめあげてネットワークで世界に流せば、新しい産業が育つ」
 「ソフトウエアも大事だ。コンテンツをネットに流すためのソフトがそうだし、関西が発展を目指す情報家電やロボットでも組み込み型ソフトの産業集積が必要だ。神戸の医療産業も、ソフトウエアを組み合わせることでもっと強化できる。そのためには産業界だけでなく、大学や官庁とも力を合わせないと。関経連が中心となり、産官学の推進会議を立ち上げて課題を解決していきたい」

 −情報が東京発に偏っていることも課題だ。

 「東京一極集中がいいとはだれも思っていないはず。関西の情報をもっと東京に発信していかなくてはいけない。東京の人も京都の観光情報などは関心があってよく見るようだ。逆にいえば、彼らが関心を持つような情報を関西から発信していく必要があるだろう」

 −下妻会長は関経連の事業を総点検し、今後の役割を議論する考えだ。

 「秋山喜久前会長の時代には、関西経済再生のためにいろいろな施策を展開した。関西国際空港の第2滑走路供用などの成果も生まれ、関西経済も元気になった。そういう時期だけに、これまでの事業を一度棚卸ししようということだ。中には関経連が直接やらなくていい事業もあるだろうし、逆にもっとやるべき事業や形を変えるべき事業もあるだろう。そういうものが整理されると思う」

 −自社ではコールセンターのパートの正社員登用を進めた。今後の人材活用はどうあるべきか。

 「パートの正社員化は、2年がかりの議論を経て実施した。どの企業も構造改革に取り組むなかで人員の合理化や効率化を進めたが、結果として今後の持続的発展に必要なリソース(人材)の不足に直面している」
 「当社ではキャリアの複線化を進めている。コールセンターのパートのうち、一定の成果を挙げている希望者を長期契約社員にし、さらに上位の人を正社員に採用した。企業は今後、評価の公平性を確保しながら、キャリアの選択肢を用意することが求められる」
【2007年6月16日掲載】