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阪急百貨店 取締役専務執行役員 若林純氏

特色共存で統合効果図る
わかばやし・じゅん 慶應義塾大法学部卒。1970年に阪急百貨店入社。2000年に取締役に就任し、常務執行役員を経て04年から現職。今年10月に持ち株会社「エイチ・ツー・オーリテイリング」の社長に就任予定。大阪府出身。59歳。
 阪急百貨店と阪神百貨店は今年10月、経営統合し、持ち株会社「エイチ・ツー・オーリテイリング」を発足させる。大阪・梅田の一番店と2番店によるタッグの誕生だ。一方で、ライバル百貨店も2011年度までに増床や進出を予定しており、競争が厳しくなる。持ち株会社社長に就任予定の若林純・阪急百貨店専務執行役員に戦略を聞いた。

 −阪急のうめだ本店は11年度に向けて全面改装中。一方の阪神の梅田本店も09年秋にかけ全面改装する。それぞれの店舗戦略をどう描くか。

 「阪急はファッショナブル、阪神は食品に強いという店舗イメージがある。それを大事にしたい。店舗まで同質化するとかえってお客が離れる。仕入れは別々のままにし、それぞれの個性を出したい。同じブランドを扱うにしても、フロアにおける位置づけや価格帯はそれぞれ異なるだろう」
 「一方で見えない部分である物流や経理、事務などは一つにしてコスト面の効果を出していく。会員カードはそれぞれのブランドを維持するが、情報管理は一元化し、両百貨店で同じ条件で使えるようにしている」

 −阪急のうめだ本店は改装で増床するが、その面積をどう生かすか。

 「大きいから物が余分にあるでは有利に働かない。文化を売る部分をどうするかだ。百貨店は採算が悪いことから美術館やホールといった要素を捨ててきたが、改めて生活総合産業の側面を出していけたらいい。アートとかデザインなどが大きなキーワードになる」

 −梅田の改装以外に福岡市の新店計画などもあるが、財務面はどうか。

 「14年度までに約2300億円を投資する経営計画だが、必要な資金は基本的に営業キャッシュフローの中でやっていける。あるときに資金の手当てが必要になるかも知れないが、できるだけ手持ち資金で回す」

 −阪急阪神ホールディングスが持ち株会社の株式20%を保有する。鉄道会社との連携策は。

 「持ち株比率を上げたのは、今までの象徴的な関係を実質的なものにしたということ。梅田近辺の商業面積のうち、鉄道と百貨店の両グループが関係するところは将来的に54%に達する。梅田と鉄道沿線でお客をどう取り込むかだ。具体的な話はこれからだが、鉄道と百貨店がそれぞれ持っている会員カードで、ポイントの相互乗り入れを行うことも一つだろう」

 −四条河原町阪急の現状はどう評価するか。

 「若いお客が増えている。05年から改装すると同時に、ターゲットを若い層に変えたことが奏功している。06年度の売上高は前年度比プラスだ。河原町通自体も活性化に向けて動き始めており、追い風が吹いている」

【2007年7月7日掲載】