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京阪電気鉄道社長 上田成之助氏

東山・嵐山ルートで観光強化
うえだ・せいのすけ 京都大卒。1972年に京阪電気鉄道入社。2001年に同社取締役となり、02年から京阪バス社長。今年6月、京阪電鉄社長兼最高執行責任者(COO)に就任した。京都市観光協会副会長も務める。甲賀市信楽町出身。57歳。
 京阪電気鉄道の新社長に、京阪バス(京都市南区)の社長だった上田成之助氏がこのほど就任した。滋賀県出身で京都市観光協会副会長を務めるなど、京都、滋賀にゆかりが深い。同社は折しも、2020年度を見据えた経営ビジョンで京都の観光事業の強化を打ち出している。上田社長に具体的な戦略を聞いた。

 −経営ビジョンでは事業の拡大を掲げているが、成長の柱は何か。

 「当社の事業は運輸と不動産、流通、ホテル・レジャー・サービスの4分野だが、それぞれ楽しみがある。鉄道では08年度に大阪の中之島線(天満橋−中之島)が開業する。同年1月には京都市営地下鉄の東西線が延伸され、当社も京津線を終点の太秦天神川まで乗り入れることで市交通局とほぼ合意している。(グループ会社の)京福電鉄に乗り継ぎでき、京都の観光スポットである東山と嵐山が1本で結ばれる。ネットワークの充実を生かし、企画切符などで乗客を増やしていきたい」
 「不動産では分譲マンションを大阪・中之島のほか、首都圏などの沿線外でも展開しており、さらに伸ばせる。賃貸ビルもいい物件を買い取って拡大したい。ホテル京阪も札幌市進出が決まり、今後は首都圏や政令市でチェーン展開を目指す」

 −京都の観光客向け事業はどう強化するのか。

 「観光客の1番の不満は交通問題だ。特に春と秋の東山の渋滞はひどい。不満を解消してリピーターを増やさないと。例えばJR京都駅から東山に行く場合、東福寺で当社に乗り継いで七条や五条、四条で降りる方法がある。東西線延伸で嵐山にも行きやすくなる。関東では京阪の認知度が今ひとつなので、JR各社とも連携し、鉄道ネットワークの利便性をPRして利用を増やしたい」

 −暫定利用している三条駅の用地開発は。

 「現在のKYOUENも収益面で貢献しているが、2010年に定期借地の契約が切れる。その辺をめどにして京阪のシンボルとなるような施設をつくりたい。具体案を検討しているところだ」

 −石山坂本線はどのように運営していくのか。

 「住民の足であり、存続が前提だ。当社も効率化に努めているし、近年は地元の応援や企画チケットの販売などで収入が上向いている。とはいえ、単独収支が赤字であることに変わりはない。当社にできる努力をすべてやったうえで赤字解消が無理なら、地元に新たな対応をお願いしたい」

 −京阪タクシーの元社長や幹部が貨物自動車運送事業法違反で略式起訴された。今後の対応は。

 「京阪グループのトップとして申し訳なく、大変遺憾に思う。当事者にヒアリングして実態を把握し、社内処分も検討する。他のグループ会社にも法令順守を再度徹底するよう指示しており、再発防止に努める」
【2007年7月21日掲載】