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関西広域機構会長(関西電力相談役) 秋山喜久氏

生活者の視点で広域連合を
あきやま・よしひさ 1955年に関西電力入社。85年に取締役となり、91年から社長、99年から会長。2006年から相談役。99年から今年5月まで関西経済連合会会長を務めた。今年7月から関西広域機構会長。山梨県出身。75歳。
 道州制の論議が活発化するなかで、関西を中心とした二府七県や四政令市、経済団体が、府県を越えた行政課題に対処する広域自治組織「関西広域連合」の設置を検討している。その推進役となるのが、今年七月に地方分権や観光などの広域組織八団体が統合・参画して発足した関西広域機構だ。秋山喜久会長に今後の活動方針を聞いた。

 −従来は観光や文化振興、地方分権などの広域組織八団体が個別に活動していた。統合でどんな効果が期待できるか。

 「広域機構は、関西を中心とした九府県の地方分権の推進と、八団体の機能を融合して相乗効果を発揮する役割とがある。たとえば歴史街道推進協議会と関西国際広報センター、大阪湾ベイエリア開発推進機構の機能を組み合わせ、具体的な歴史街道のルートづくりにつなげる。関西国際広報センターを活用して、関西の市町村でやっている優れた事業やいい行事を国内外にPRすることも考えている。事務局統合で業務効率化も図れる」

 −重点テーマは何か。

 「関西広域連合の設立だ。広域連合は地方自治法に基づいた自治組織で、各府県議会の承認を経て一定の権限を府県から移すことになる。各府県が個別にやるよりも広域連合でやった方が良い施策を洗い出すほか、今までやっていない施策でも関西にプラスになることを考える。大変な仕事だが、日本の中央集権型行政は行き詰まっており、地方分権を推進しないと今後の発展はない。ぜひ実現させたい」

 −政府は道州制の導入を論議しているが。

 「関西の場合、いきなり各府県を合併させるのは、市民感情からして受け入れられにくいだろう。それぞれの特長を残す広域連合の方が向いている。広域連合が100%の形になれば州に近づく。道州制の場合も各府県のそれぞれの良さが残る形を考えるべきだろう」
 「国の道州制論議は交付税削減という財政論的な観点から入っているが、むしろ生活者主権という観点が大事。広域連合の実績を下から積み上げることで、メリットを市民の目に見える形で提示していくべきだ」

 −広域連合の具体的な形はどう考えるか。

 「まずできることからやる。たとえば、環境保全技術のデータバンクを関西でつくることが考えられる。水資源も、生活用水の確保や洪水対策、渇水対策は各府県共通の方が効率的だ。観光もそう。観光客は府県をまたがって移動するだけに関西一体でやることが重要だ。新しい取り組みでは、海外企業の進出を求めて経済外交を一緒にやるのもいいのではないか」
 「組織の形も、二つか三つの府県から始める組合方式が考えられる。今年六月に関西広域機構の設立を決めたときの申し合わせでは、一年以内の設立を目指すことになっている。年内にも第一回の理事会を開きたい」
【2007年8月18日掲載】