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都市再生機構西日本支社長 福永清氏

学研都市、開発手法変える部分も
ふくなが・きよし 静岡大法経学科卒。1971年に日本住宅公団に入り、都市基盤整備公団首都圏募集販売本部長、都市再生機構(UR)募集販売本部長などを経て、2006年6月からUR監事。今年6月から現職。61歳。
 都市再生機構(UR)が、関西学研都市の開発計画を相次いで見直している。7月に高山地区第2工区(奈良県生駒市)の事業中止を発表。8月には木津中央地区(木津川市)の計画を変更する方針を明らかにした。その背景や今後の開発方針について、西日本支社の福永清支社長に聞いた。

 −学研都市の開発状況はどうか。

 「学研都市全体では文化学術研究地区約3600ヘクタールのうち45%は区画整理事業がほぼ完成し、事業中は20%ある。このうちURが手がける地区の進ちょく度は事業完了が46%、事業中が29%、木津北、木津東両地区など事業中止が24%という状況だ」
 「立地も一時的な停滞があったが、3、4年前から盛り返してきた。98施設が開設し、18施設が整備中か計画中にある。近畿日本鉄道のけいはんな新線が開業したほか、イオンなどの大型商業施設の立地も進んだ。住宅の需要も元気だ」

 −木津中央の開発計画を見直したのはなぜか。

 「事業費削減もあるが、時間的な問題が大きい。URは2013年度にニュータウン事業を終了することが決まっているためだ。見直し案では地区の中心に民地を主体とした住宅地を集め、周辺にURの施設用地を固めて『大街区』として造成せずに処分する。JR木津駅に近い土地は用途を定めず、柔軟に利用できるようにする。10年度に供用開始し、13年度までに完了したい」

 −木津北、東両地区に続き、高山地区第2工区も事業中止を発表した。土地処分はどうなるか。

 「奈良県や生駒市の要請を受けてURが開発に乗り出した経緯があるのだが、ここに来て生駒市が『協力できない』と表明したため、中止を決めた。とはいえ、基本的には事業を進めるべき地区であることに変わりない。今後は県や市が、責任を持ってまちづくりをどう進めるか考えるべきだろう。その中でURの土地がどのように利用されるかだ。市との交渉は続けるが、結果次第では法的措置も考える」

 −研究所用地の空き地はまだ多い。今後どのように埋めていくのか。

 「学研都市の基本コンセプトは維持するが、やり方を変える部分も必要だ。施設誘致では、純粋な研究所だけでなく生産機能を設けた施設も立地できるようにした。中小企業やベンチャーも進出しやすいよう、用地を小区画に分ける方法も取っている。ベンチャービレッジという名称で、精華町で手がけた1期分はすべて成約した。2期の計画もあり、同町内の12区画を今年9月にも分譲開始する予定だ」
 「木津中央地区のように造成しないまま残す大街区の処分は、新たな発想が必要だ。今のところ妙案はない。大街区は全国的にあり、UR全体で連携しながら売却先を探していきたい」
【2007年9月1日掲載】