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関西経済連合会副会長(松下電器産業副会長) 松下正幸氏

相互交流で東アジア連携強化
まつした・まさゆき 慶応義塾大経済学部卒。1968年、松下電器産業入社。86年に取締役となり、常務、専務、副社長を経て2000年から副会長。04年から06年まで関西経済同友会代表幹事。今年5月から関経連副会長。大阪府出身。61歳。
 関西経済連合会が、ASEAN(東南アジア諸国連合)との関係強化に力を入れている。本年度事業ではベトナム使節団を4月に派遣し、今後も日越経済討論会の開催などを予定する。アジアへの玄関口である関西国際空港の課題も含め、国際担当の副会長である松下正幸・松下電器産業副会長に戦略を聞いた。

 −ASEANとの関係を強化する背景は何か。

 「関西は日本の中でもASEANとの貿易額が大きい地域だ。もう一つ、東アジアが経済的連携を強めようとしていることも大きい。東アジアの域内貿易率は56%で、NAFTA(北米自由貿易協定)の43%を上回る。今後もFTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)で連携を強めるなか、ASEANはそのハブ(中核)として役割を負っている」

 −関経連では、ASEANとの関係強化にどう取り組んでいるのか。

 「ASEAN諸国に毎年のように使節団を派遣しているが、特にベトナムは注目している。市場規模がASEANでインドネシアに次いで大きく、生産拠点として考えた場合に労働力が豊富で質も高い。4月に使節団を派遣したほか、ベトナムが日本で開く投資セミナーの手助けもしている」
 「来春には日越経済討論会を関西で開く。テーマには部品や成形などのすそ野産業の育成が考えられる。現地の人材育成も課題だ。中間管理職などのマネジメント層を育てる方策を議論したい」

 −日本の将来的な課題に労働力不足がある。アジアの人材を育て活躍してもらうことも重要なのでは。

 「日本企業がいろんな業務をアジアにアウトソーシング(外部化)することもあるし、アジアの人材に日本で活躍してもらうこともある。関経連は1980年からASEANの若い人材を日本での研修に受け入れてきた。当社もアジアから日本の大学院に留学を志す学生向けに奨学金制度を設けている。今後も関西の経済界や各企業で取り組みが活発になるだろう」

 −アジアとの交流拡大には関空の機能も重要だ。現状をどう見るか。

 「昨年9月から国土交通省交通政策審議会の航空分科会委員を務めたが、強く主張したことがある。東京では関空が関西のエゴの産物と受け止められているが、それは違うということだ。今後は航空需要の拡大が見込まれているが、成田や羽田の滑走路を増設しても需要全部は満たせない。国全体で関空を活用する必要がある。現状だけ見て供給過多といわず、長期的視点で考えるべきだ。関空会社が空港島造成で負った債務も会社の規模に比べて膨大すぎる」
 「幸い、この1年で関空に対する中央政財界の認識は随分変わった。分科会の答申書も関空の負債問題の改善に初めて言及した。国はまず、第2滑走路の供用開始に続いて貨物ヤードの整備を急いでもらいたい」
【2007年10月6日掲載】