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大阪証券取引所社長 米田道生氏

独創的取り組みで関西元気に
よねだ・みちお 京都大法学部卒。1973年に日本銀行入行。秋田支店長や札幌支店長などを経て2000年に大阪証券取引所常務理事、01年に株式会社化に伴い常務取締役。03年から現職。長崎市出身。58歳。
 夕刻時間帯のデリバティブ(金融派生商品)取引の実施など、大阪証券取引所が新しい取り組みを次々と打ち出している。大証ならではの独自色で競争力の向上を目指す米田道生社長に今後の事業展開を聞いた。

 −上場から一カ月が経過した金連動ETF(上場投資信託)の取引状況は。

 「海外では、米国を中心にETFは個人投資家が求めやすい商品として普及している。金への投資は多大な管理コストが必要だが、金価格連動ETFという形にすれば金に投資したい人のニーズも満たせる。金10グラム分と少額からの投資もでき、使い勝手がいいので個人投資家の取引が多い」
 「最初の8月10日の売買高は約5億円ぐらいだった。その後は1億数千万円程度で取引が続いたが、金の価格が上がり始めた9月上旬から取引が増え、いまは1日平均で3億から4億円ぐらいに増えている。順調なスタートだ。この仕組みを使えば原油や外国株の指標に合わせたETFを作れるので検討している」

 −9月中旬開始の夕刻取引「イブニングセッション」も注目を集めた。

 「株式市場の6割が外国人でグローバルになり、24時間マネーが動いている。場が閉まった後の夕刻取引も要望が多く、デリバティブはより一層ニーズが高い。夕刻取引は、日中の取引の3%ぐらいになっている。1年で5%程度になればまずまずだ。市場監視やコンピューター管理もあるのでまずは午後4時半から7時までとしたが、状況をみながら取引時間を延ばしたい」

 −ヘラクレスも含めて元気がない新興市場の課題は。

 「ライブドアなど新興市場の一部企業で、財務報告書の不正などの不祥事があった。これでは信頼をなくすので、私たちも危機意識を持って7月に上場ルールを見直した。上場企業の行動規範を定めさせ、違反した場合には公表する。またコーポレートガバナンスの報告ルールも定め、問題がある際には取引所の職権で外部の専門家委員会を作って調査させる。極端な企業には上場再審査制度を設ける。新興市場に起きている問題を解決することが重要だ」

 −大証として新興市場をどう位置づけるか。

 「ベンチャーを育てる市場を直接金融で支援することが必要で新興市場は日本の将来にとって非常に重要だ。関西はベンチャーが育つ地域で常に創造的なことをやってきた。任天堂、日本電産、ロームなどが大きくなったようにベンチャー精神が強いのは京都企業。グローバルな視点を持ち、東京に本社を移さずに地に足をつけてやっている。大証も京都企業の生き方と似て時代を先取りしながら独創的なことをやっている。ベンチャーも多く出てきてもらい、関西を元気にしたい」

【2007年10月20日掲載】