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近畿経済産業局長 久貝卓氏

競争力あるコンテンツ育成
くがい・たかし 京都大法学部卒。1979年、通商産業省(現経済産業省)入省。貿易局安全保障貿易管理課長、内閣官房内閣参事官、大臣官房会計課長などを経て、2006年7月より現職。大阪府出身。54歳。
 産学官連携でコンテンツ産業を紹介するイベント「クリス関西」(9月−10月)で関西の映画やゲーム、アニメなどが注目を集めた。イベントの旗振り役となり、コンテンツ産業による関西活性化を推進する近畿経済産業局の久貝卓局長に今後の課題を聞いた。

 −近畿各地で開いたクリス関西は、京都でも映画や漫画関連が盛況だった。

 「来場者に中国、韓国などアジアの人が多く、国際的なイベントになった。テレビ局や映画会社、通信会社の人にも多く来てもらい、参加者は約8500人となり、初回としては成功だ。商談成果はこれからだが、各クリエイターにはまずまずの照会があったようだ。京都国際マンガミュージアムが評判がいい京都では、漫画関連のシンポも開き、関心を持ってもらえた」

 −経産局のコンテンツ産業振興の狙いは。

 「昨年9月にコンテンツ産業振興室を設置した。関西の実態把握ではコンテンツ系企業が約6400社もあった。産業はものづくりも大事だが、産業構造の変化でサービス産業も拡大している。海外でも人気のアニメ、ゲームなどをさらに伸ばし、コンテンツでも活性化を図る。国際競争力を持ったコンテンツ産業が関西から育ってほしい」

 −関西のコンテンツ産業の潜在力は。

 「関西の大学ではコンテンツ関連の学部や学科が多い。定員ベースでみると年間約2100人育てており、人材育成の機能面でも大きい。任天堂やカプコンなどのゲームメーカーもあり、非常に可能性はある。また今回の展示会にシャープが高精細液晶画面を出展し、画面にどのようなコンテンツを流すかに問題意識を持っていた。関西には松下電器産業もあり、情報家電産業とコンテンツ産業の融合も考えられる」

 −今後のコンテンツ産業振興策の方向性は。

 「政府全体で催している国際コンテンツフェスティバルと連動したい。来年のクリス関西は、奈良県や関空など他の地域でも企画をする。関西には、吉本興業や宝塚歌劇が人気があり、いろんなコンテンツがつながってくる。いいコンテンツがあればそれを見たいと海外から人が集まる。観光資源としての役割もあり、観光分野との連携を発展させたい」

 −これからのコンテンツ産業の課題は。

 「国際展開をもっと拡大することだ。ゲームは大きな貿易黒字だが、アニメもビジネスモデルを改善してさらに収益が上がるようにしなければならない。また韓国や中国と合作の映画やアニメなどの国際共同制作を進めることも重要だ。ネットにも多くのコンテンツを配信して、多彩な映像配信ができることに期待している。知財面では著作権が重要だが、あまり保護しすぎると逆に使いにくくなる。保護と利用の調和をどのように図るかを考えねばならない」
【2007年11月3日掲載】