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日本貿易振興機構(ジェトロ)大阪本部長 洲崎宏夫氏

関西の潜在力 アジアとつなぐ
すざき・ひろお 東京都立大経済学部卒。1973年に日本貿易振興会(現日本貿易振興機構、ジェトロ)入会、人事課長、情報計画課長、市場開拓部長などを経て、2006年7月より現職。米国、英国、マレーシアに駐在。静岡県出身、59歳。
 関西の輸出企業が元気だ。電子部品や精密機器などが好調で、中国やベトナムへの進出も増えている関西の企業とアジアにおけるビジネスの課題を日本貿易振興機構(ジェトロ)大阪本部の洲崎宏夫本部長に聞いた。

 −関西企業の貿易や海外投資の状況は。

 「2006年の近畿2府4県の貿易は輸出入とも史上最高額で順調だ。全国的に輸出が好調で関西も同じ傾向。その割合は全国ベースでは50%弱をアジアが占めるが、関西は約60%と比率が高いのが特徴だ。特に中国との関係が深く、好調さはその恩恵といえる。電子部品や機械部品、情報家電向けの部品がよい」

 −企業からの相談内容で多いのは。

 「大阪本部に年間約3300件の相談がある。内容は、輸出が37%、海外投資が33%、輸入は21%。国別では中国が36%、米国は8%、ベトナムが8%となっている。06年度は前年度に比べ、ベトナムの比重が高まった。07年度上期をみるとタイもEPA(経済連携協定)の関連で問い合わせが増えた」
 「関西企業の海外現地法人への出資は約6割がアジア。相談は中国向けが最も多い。最近、中国が外資優遇策を見直している点に問い合わせが多い。代金回収や輸入規制の問題などもあり、労働者を保護する法も施行が近いので労働問題の相談も増えている」

 −海外進出企業へのジェトロの支援策は。

 「全15回の中国現地法人経営研究会を昨年立ち上げた。中国を根本から理解する狙いで中国の社会や政治、経済をしっかりと勉強できるため、好評だ。来年6月には、大阪で日中韓産業交流会も開く。やはり関西はアジア志向が強い。日中韓が手を携えてアジアを引っ張らねばならない。関西の持ってる潜在力とアジアを結びつける事業に今後も力を入れたい」
 「またベトナム向けのセミナーも9月に開いた。ベトナムはWTOに加盟し、国内市場も広がっている。東西回廊もでき、ベトナムで製品を作ってタイや中国に運ぶなど、新しい市場、生産基地として注目されている。ビジネスミッションも送り、現地で部品を仕入れられるように現地企業の技術も育てている。第2の中国のようになるので関西の企業は早めに手をつけたほうがいい」

 −11月に発効したタイとのEPAの期待は。

 「タイには多くの日本企業が進出している。日本との部品のやりとりでタイとのEPAを活用したいという声は多い。EPAは中小企業にはとっつきにくいが、大阪本部ではアドバイザーを設け、実務セミナーも開いている。原産地規則なども絡み、アジアの中でもEPAは相当複雑になるが、ビジネスチャンスも広がる。EPAは積極的に進めねばならない。企業の相談にのり、利用しやすい体系をジェトロが整えるので利用してほしい」
【2007年11月17日掲載】