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阪神高速道路社長 木下博夫氏

京都の交通網さらに議論を
きのした・ひろお 京都大農学部卒。1967年建設省入省。京都市助役、国土事務次官、阪神高速道路公団理事長などを経て、05年10月から現職。静岡県出身。64歳。
 京都市内で初の都市高速道路となる京都高速道路(阪神高速8号京都線)が来年1月19日に油小路(上鳥羽−巨椋池間)で一部開通する。京都市南部を貫く交通インフラの意義について阪神高速道路の木下博夫社長に聞いた。

 −京都高速の役割と整備効果は。

 「今回の区間は1月に開通し、工事中の新十条通は2008年中に開通できそうだ。08年は阪神高速にとって京都の時代になる。都市高速は、大都市圏の中で一般道路と幹線高速をつなぐネットワークで道路の性格が地元に密着しているのが特徴だ。油小路通は下の道路も整備され、工事中の新十条通のトンネルが開通すれば山科側と東山側の接続効果も有効に発揮できる。完成部分は混雑する国道1号の渋滞解消や都心部へ入ってくる車をはき出す効果を持っている。今回の京都高速開通を機会に、京都全体でどういう交通ネットワークが必要か、地元でもう一度議論して整理してほしい」

 −京都高速道路の工事における特徴は。

 「京都の景観を失わないために鳥居をイメージした橋脚などを採用し、遮音壁のラインは藤色を使用した。環境面では高機能の透水性舗装で騒音の発生を防いでいる。新十条通では換気所も住宅とマッチするように東山側は酒蔵をイメージしたデザインにしている」

 −京都高速も含めてノンストップ料金収受システム(ETC)の利用促進など、高速道路活性化の取り組みは。

 「ETCの活用で料金所の渋滞がなくなり、収受コストや大気汚染も減るため、積極的に利用促進に取り組んでいる。京都高速開通の前後には高速道路利用者への割引など地元商店街などとのタイアップも考え、利用効果をPRしたい。大阪でやってきたETC普及策を京都でも適用し、機械の割引販売やカードの発行、車の取り付けのワンストップサービスの提供、利用料金のキックバックなどの支援策を京都で重点的に取り入れる。京都のETC普及率は2割ぐらいだが、徐々に高めていきたい」

 −改定を進めている均一料金制から距離料金制への移行には批判の声もあがっている。

 「高速道路の利用料金については距離料金制の案を示して割引政策をどう付加するかを検討している。高速道路は安いにこしたことはないが、4−5キロしか走っていない人と40キロ走った人が同一料金では合理性に欠ける。阪神高速も234キロのネットワークになったので、距離制の採用を理解してもらいたい。ただし緩和措置を含めて一度に負担がかからないようにするため、利用者の意見をふまえて現在検討中で年内には結論を出したい」
【2007年12月1日掲載】