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近畿運輸局長 各務正人氏

面でつながる交通網に期待
かかみ・まさと 東京大法学部卒。1976年に運輸省入省。近畿運輸局自動車部長、国土交通省航空局飛行場部長、航空・鉄道事故調査委員会事務局長などを経て2007年7月から現職。愛知県出身。53歳。
 関西国際空港の二期工事や京都市地下鉄東西線の延伸など近畿の交通インフラが拡充している。交通網の発展による経済効果と関西の観光政策を近畿運輸局の各務正人局長に聞いた。

 −関空二期工事が地域経済に与える効果は。

 「完全二十四時間空港となり、付加価値の高い貨物を短時間で運べる。東アジアと結びつきが強い関西で国際物流が発展する起爆剤となる。臨海地域の開発もセットで動き、堺市のシャープの工場では関空に海上からコンテナで製品を短時間で運べるようになる。ただ今後は空港の実力勝負になる分、関西経済を活性化させて、実質を伴って空港を活用することが求められる」

 −京都市地下鉄東西線延伸や京阪中之島線新設など新交通網の期待は。

 「私鉄王国の関西は密な交通網があるが、それぞれ自己完結型だった。路線整備が進むとさらに面のネットワークになる。京都市地下鉄東西線の延伸は京福電気鉄道と太秦天神川でつながり、浜大津へも直結する。大阪中之島線も大阪のビジネス街と京都が直結し、来年、阪神なんば線が完成すれば奈良から姫路までつながる。観光やビジネス面での役割は大きい」

 −JR西日本の福知山線事故以降、各社に求める安全対策は。

 「安全第一の企業風土をつくってもらうために運輸安全マネジメントシステムを導入した。各社にヒアリングしながら意見交換し、社内で安全運行の計画を立て、チェックして行動する体系づくりを求めている。監査基準の順守と継続的な社内マネジメントをしっかりとチェックする。事故の経験を踏まえ、よりよい制度を作ることが大事だ」

 −近畿の観光政策として取り組むべき課題は。

 「関西は特にアジアをターゲットとし、リピーターができる満足度の高い観光地づくりが必要だ。今年は京都、滋賀では源氏物語千年紀もあり、二〇一〇年は平城京千三百年イベントもある。観光は競合関係にある近隣地域も巻き込むことが必要だ。滞在型観光が進む現在では、観光圏の考え方で広域連携を図り、一緒に地域の底上げが可能だ。古い工房や町並みを活用した産業観光も大きな資源で、さまざまな取り組みを地道に進めることが必要だ」

 −阪神港や舞鶴港を利用したクルーズ振興にも取り組んでいる。

 「東京でしかなかったクルーズシンポジウムを昨年は大阪で開いた。日本人にクルーズのよさを理解してもらうと同時に外国から大型船を招き、飛行機と船を使って観光を楽しむフライ&クルーズを進める。以前、大阪港で大型船が来た際には行きと帰りで五千人の観光客が入れ替わり、経済効果は大きかった。ビジネスチャンスの一つとして呼びこむ価値はある」

【2008年3月1日掲載】