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| 化合物のスクリーニング解析結果をチェックする社員(京都市中京区) |
薬になりそうな化合物を膨大なデータベースから計算して絞り込む。「いわゆる計算屋です」と村上竜太社長(32)は説明する。京都大薬学研究科の奥野恭史教授がタンパク質に作用する化合物を効率的に見つける技術を開発した。その技術を基に創業した大学発のベンチャーだ。
疾患の原因などになるタンパク質と化合物の相互作用は、鍵と鍵穴に似た関係。そんな組み合わせの公開情報は数百万件ある。これらをデータベース化し、相互作用に近いアミノ酸配列を計算すれば、特定のタンパク質と何らかの結合が起こりそうな、つまり病気に効きそうな薬候補の化合物を割り出せることになる。
製薬会社の「当たり」を探す手間を省くビジネスだ。創薬化学品の専門商社の化合物サンプル数百万種類の中から、100〜200種類を計算で割り出す。このうち10%ほどの化合物が創薬の実験段階ステップに適合するという。村上社長は「従来の絞り込み手法の10倍の適合率で、計算期間も従来法の3カ月から当社手法は2〜3週間に短縮できる」と強調する。
村上社長は、会社設立前は大阪市の産学連携支援コンサルティング会社の役員だった。奥野教授の技術に需要があるかどうか半年かけて市場調査した縁で2008年、会社設立とともに社長に就任した。
「大学発ベンチャーに厳しい見方がある中、コツコツと実績を積み上げてきた」と自負する。2009年6月期の売上高5千万円から、社員8人で11年6月期は9500万円を達成。12年6月期は1億円を見込む。
今は化合物の絞り込みを自社で行っているが、顧客向けの簡易版システムを開発中で、年内にも発売する方針だ。薬の副作用などをデータベース化したシステムも病院など医療現場向けに開発している。「小粒でピリリと辛いような良いサービスを提供したい。海外にもシステムを売り込んでいく」
村上竜太(むらかみ・りゅうた)社長
京都大文学部卒、大阪保健福祉専門学校卒。大阪障害者職業センターでジョブコーチとして2年間勤務。友人が経営するベンチャー企業勤務を経て、2008年会社設立、社長就任。精神保健福祉士の資格を持つ。愛媛県出身。32歳。
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