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品数豊富、販売方法に工夫

つえ屋(京都市中京区)
壁一面に多種多様なつえが並ぶ店内(京都市中京区・つえ屋丸太町本店)
壁一面に多種多様なつえが並ぶ店内(京都市中京区・つえ屋丸太町本店)
 花柄や着物柄など店内の壁一面に色とりどりのつえが並ぶ。2006年から、つえ・ステッキに特化した専門店を開き、現在は京都府庁近くの丸太町本店(京都市中京区丸太町通西洞院西入ル)をはじめ京都市内4店と東京の計5店を展開している。坂野寛社長(53)は「8坪の本店だけでも5千本を販売しており、全国一の品ぞろえに自信があります」と胸を張る。

 商品も販売方法もアイデア勝負だ。京セラとの協業で人工宝石で彩ったり、暗闇でも歩きやすいように発光ダイオード(LED)を埋め込むなど多彩で、製造委託や輸入などで欧米や中国、南米など40カ国と取り引きがある。1本5千円から350万円までと幅広い。

 坂野社長は介護用品の卸販売業を2000年に西京区で開業。現本店でも介護用品販売をと考え、壁につえを並べたところスポット照明に輝いた。「介護全般を扱っても大きな業者に勝てない。つえ専門店という未開拓の分野に光を当てればやっていける」と決意した。

 品ぞろえを増やして半年後には月商100万円を超え、急成長を始めた。店舗を増やすとともに全国の調剤薬局200店で委託販売し、全国の百貨店で年150回の催事も開く。ネット販売も好調だ。

 移動販売車で「流し」営業もする。高齢者の会合や入居施設、障害者らの自宅などへの出張販売も行う。「つえ屋ー、つえだけー」とスピーカーで流す宣伝効果も大きいという。

 11月に京都市内に1軒、来年には大阪府豊中市の千里中央、さらに大阪市阿倍野区に建設中の超高層ビル「あべのハルカス」への出店も決まっている。

 坂野社長は3年前に目の病を患い、視覚障害2級とされた。「65歳で事業を譲ろうと思う。その際に10億円を視力障害者団体に寄付するという目標が原動力」と語る。「『転ばぬ先のつえ』ということわざ通り、つえは安心を与えるもの。気に入ったつえで出掛けてもらう楽しさを提供していきたい」

坂野寛社長

 伏見工業高中退後、貿易業やリフォーム業に従事。2000年に京都市西京区で「介護住宅改造センター」設立。06年9月「つえ屋」開店、同10月に「つえ屋」で登録商標取得。京都市中京区出身、西京区在住。53歳。

【2012年10月01日掲載】