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エコな木質荷台に商機

エースジャパン(京都府精華町)
府内産の未利用間伐材の枝や葉を使った荷物運搬用の台(京都府精華町・エースジャパン)
府内産の未利用間伐材の枝や葉を使った荷物運搬用の台(京都府精華町・エースジャパン)
 一見するとどこにでもありそうな荷物運搬用の木の台。しかし、間伐材の中でも枝先や葉といったゴミ同然の材料に樹脂を注入して作られている。開発した物流資材製造販売の「エースジャパン」(京都府精華町)はこの台に社運をかける。自然素材のため廃棄しても土に戻るうえ、強度もプラスチック製並みにまで高めた自信作で、判藤慶太社長は「究極のエコ商品。京都から広めたい」と意気込んでいる。

 同社は、物流資材の販売や輸送の手配、ETCカードの付帯事業、倉庫の管理などを手がけている。事業の中で、マレーシア産のヤシやマツ、ドリアンなどの木を使用した台を輸入販売していた。

 判藤社長は、国内では同様の試みがなく、ビジネスチャンスになると考えて、2011年6月から研究を重ねてきた。課題となったのが、木材の安定供給だった。府森林組合連合会の協力で、スギやヒノキの伐採作業の中で出た枝や葉を格安で提供してもらうことで解消した。

 提供された枝先や葉は、京丹波町の工場でチップにする。樹脂を注入し、高温にして成形する。縦横約1・1メートル。2トンまで耐えられる。野ざらしでも1年半から2年もつという。現在の日産能力は100枚。5月から本格的に販売を開始し、約700枚を売った。3年後には売上高10億円を目指す。

 さらに、未利用間伐材だけでなく、竹を材料にするための研究を進めている。放置竹林に悩む京都府南部のNPO法人と連携し、竹を供給してもらう。厄介者の竹だが、「間伐材の台に混ぜると、強度が増す。竹を買い取ることで環境保全にも役立つ」と力を込める。

 間伐材の台づくりは広がりをみせる。市民や企業が森林の保全や再生に取り組む「モデルフォレスト」で、参画する地元企業が整備する山で切り出した間伐材を使って荷物運搬用の台を作り、企業に還元する試みを始めた。三洋化成工業が参加するほか、大手電子部品メーカーなども加わる意向を示しているという。判藤社長は「台を使うだけで環境意識の高さをアピールできる」と強調し、台の利用拡大を目指す。

判藤慶太(はんどう・けいた)社長

 東海大体育学部卒業。電気機器メーカーや鉄工所に勤務後、流通関連の協同組合に勤めた。2010年4月に、エースジャパンをけいはんなプラザ内で創業した。京都府京丹波町に工場を持つ。精華町在住。43歳。

【2014年09月29日掲載】