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ゴマの魅力、多彩に提案

わだまんサイエンス(京都市中京区)
わだまんサイエンスの商品を販売する「杵つき金ごま ごま福堂」。店頭のきねでごまをつくパフォーマンスを行っている(京都市中京区)
わだまんサイエンスの商品を販売する「杵つき金ごま ごま福堂」。店頭のきねでごまをつくパフォーマンスを行っている(京都市中京区)

 豊富な栄養素を含むゴマの魅力に着目し、調味料や菓子、飲料など多彩な商品に加工・販売している。通信販売に加え、京都のほか鎌倉、軽井沢など観光地を中心に直営や契約の13店を展開する。ゴマや京野菜を使ったクレープ専門店も手掛けており、30代以上の女性を中心に顧客層を広げている。

 主力商品は、粒が大きく香りが高い地中海産のゴマを砕いた「金つきたてごま」。販売店の店頭で木のきねと臼を使ってつき、その場で袋詰めする。加工作業を見せる販売方法が話題になり、売り上げが伸びた。百貨店の催事の依頼も増えている。味も手作業の方が機械より優れているといい、深堀勝謙社長は「粒が程よく残り、歯ごたえが楽しめる。油分も抜けにくい」と利点を語る。

 創業のきっかけは、深堀社長が製薬会社に勤務していた頃にゴマの魅力を実感したことだった。勉強のために薬の原料を食べ比べし、「良薬は口に苦しというが、ゴマだけはおいしくて栄養豊富だった」。老舗ゴマ店の和田萬商店(大阪市)に転職し、クッキーやお茶などの商品開発に携わった。

 2年後、のれん分けの形で同店の名を冠し、妻の出身地である京都で独立。当初は小売店に卸して流通することを目指し、営業活動に奔走したが、収益が上がらずに赤字が5年続いた。フランチャイズ契約による出店や催事への参加で知名度を上げ、経営を軌道に乗せた。

 「ゴマで世界平和」を目標に掲げており、海外事業にも乗り出した。国際協力機構(JICA)との協力で2月から、パラグアイで農業を学ぶ学生にゴマの商品開発を指導している。同国はゴマの産地で日本向けに輸出しているが、住民が食べる習慣はない。加工して都市部や欧米で販売し、収益につなげることを目指す。2年後には現地での店舗開設も計画している。

 深堀社長は「ゴマは調味料としてだけでなく、ご飯やトーストにのせるなど主食としての食べ方もできる。手軽な健康食として世界で需要を広げたい」と話す。

深堀勝謙(ふかほり・かつのり)社長

 愛知県の短大を卒業後、宝石店の営業などを経て、2000年から大阪の老舗ゴマ店で商品開発を担当。06年に起業し、現職。ゴマのクレープ店などを展開し、13年に京都商工会議所のクリエイティブ産業モデル企業に認定された。名古屋市出身、大津市在住。44歳。

【2016年03月14日掲載】