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遺伝子医療育成図る

タカラバイオ 仲尾功一さん
仲尾功一さん

 今春発売のiPS(人工多能性幹)細胞作製キットをはじめ、バイオ研究試薬や遺伝子治療分野で展開する事業のかじ取りを担う。就任から2カ月余り、「国内外の工場、営業所を回り、人材、技術の力に自信を深めた。不安の割合は日に日に減っている」と笑顔を見せる。

 京都大農学部を卒業後、宝酒造でバイオ部門一筋に歩み、大学なとの共同研究の調整や事業提携を手がけた。2005年には米国の研究試薬開発会社クロンテックの買収を主導、製品、顧客の幅を広げて海外売上高は15%から40%超に跳ね上がった。

 宝酒造時代から分社、株式上場と、「強烈なカリスマ性」で研究、事業全般を指揮した加藤郁之進前社長(72)の後を受け、その路線を加速させるのが使命と受け止めている。

 6月に組織改革を行い、遺伝子工学、バイオ食品、遺伝子医療の3事業別に研究、営業幹部による部門戦略会議を設置。事務方の経験から「営業現場の最新情報を研究開発に生かす」狙いで、一定権限を与えて経営の機動性を高める独自色も付け加えた。

 今秋には国立がんセンターと白血病患者への遺伝子治療の臨床研究など大型事業が始まる。「この10年内には遺伝子医療が研究試薬と並ぶ柱に育っていく」と青写真を描く。

 年に100冊を読破する読書家。社長就任で増えた出張の移動時に、科学読み物や幕末、明治期の歴史小説で気分転換を図っているという。京都市在住、46歳。

 不況脱出への期待を担い、本年度船出した地場上場企業の新社長の横顔を紹介します。

【2009.07.24掲載】