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中国富裕層の誘客を

京都ホテル 平岩孝一郎さん
平岩孝一郎さん

 日銀京都支店長時代から5年ぶりに京都に戻った。中央銀行出身のホテル経営者は世界でも珍しいが「銀行もホテルも根幹はサービス業。顧客が気付く前に先回りして満足させられるようにもてなしを徹底したい」と話す。

 前社長と同じ慶応大OBの縁と京滋各界での顔の広さから熱心に誘われ、「好きな京都のために何かできれば」と転身を決めた。就任早々、不況に追い打ちをかける新型インフルエンザ問題で宿泊はじめ各部門で打撃を受け、客商売の厳しさを再認識させられた。

 巻き返しに力を入れているのが中国戦略だ。7月に始まった中国の個人観光客向けビザ発行に合わせ、上海の系列ホテルで現地営業を強化し、富裕層を中心に京都観光を売り込んでいる。日銀退職後に勤めたNTTデータで、頻繁に中国を訪れた経験から「京都の楽しみ方がまだ浸透していない」とみる。国内では京都ホテル前支配人が社長に就いたホテルオークラ東京と連携、首都圏企業からも宴会や会合の受注獲得を目指している。

 昨年、京都市を訪れた観光客数は5千万人を突破した。「官民一体の取り組みが実を結んだ。東京ではこうはいかない」と京都の団結力に驚く。手入れが行き届いた道端の花壇を見ても洗練された京都の精神性を実感するという。「中国も観光客誘致に力を入れ始め、国内外との競争はますます激しくなる。京都の価値をもう一度しっかりと見つめ直したい」と決意を語る。京都市在住。59歳。

【2009.07.28掲載】