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現場主義で新手着々

京福電気鉄道 西田寛さん
西田寛さん

 嵐電の愛称で京都市民に親しまれる嵐山線の開業100周年を来年に控え、トップに就任した。「何か縁を感じますね」。本社わきを走り抜ける緑の電車を眺め、「社員の先頭に立ち、収益力を高めたい」と意気込む。

 親会社の京阪電気鉄道出身で連続4人目の社長となる。京阪電鉄では駅の高架化や線路の保守管理などで「39年間ずっと現場に立ってきた」と自負し、直前まで安全統轄担当の専務を務めた。安全運行への姿勢は人一倍厳しく、「安全確保なしに事業の存在はない」と言い切る。

 延伸した京都市営地下鉄東西線と結節した昨年度、嵐電の乗客数は8年ぶりに700万人を超えた。新型インフルエンザの影響で今年4〜6月は乗客が前年同期から7〜8%落ち込んだが、悲観はしていない。高齢者が増え、車社会を見直す動きから「今こそ嵐電が必要」と力を込める。

 就任後は京都と並ぶ事業拠点の福井県で運営するホテルや水族館、タクシー会社を精力的に回った。「福井の状況は厳しいが、不採算の事業をやめる考えはない。観光資源のPRに知恵を絞り、グループ全体で収益を出していきたい」と語る。

 8月から兵庫県養父市の温泉施設運営に乗り出し、今秋には神奈川県の湘南・鎌倉を走る「江ノ電」との共同イベントを計画するなど、ハードとソフトの両面で新たな企画、事業を追求する。

 現場に出て社員と対話するのがポリシーで、「昔かたぎの人間です」と笑う。趣味はゴルフと野球。京都市在住。62歳。

【2009.08.01掲載】