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(2)太陽光発電

経済性高まり設置急増 増産、販売網拡大に力
南向き屋根全面に太陽光発電パネルを設置したモデルハウス。設置補助と光熱費節減をアピールして住宅メーカーも販売に力を入れている(京都市伏見区の住宅展示場)

 京都市伏見区の住宅展示場。南向きの屋根一面を覆う太陽光発電パネルが日差しに光る。「補助金や電力買い取りを利用すれば十数年で元が取れます」。住宅会社担当者がパネル設置のメリットを熱心に売り込む。

 自宅の建て替えを検討中という宇治市の主婦(51)は「以前は高価すぎたけど、性能も上がり経済性が高まったのは魅力」と興味津々。セキスイハイム近畿京滋支店(草津市)が本年度上半期に販売した新築住宅の太陽光発電設置率は86%と前年同期の54%から大幅に伸びている。

 クリーンエネルギーの太陽光発電の市場が急拡大している。住宅向けは昨年1月に国が設置補助金を復活させ、11月からは余剰電力を従来の2倍の価格で買い取る制度開始で勢いを増した。独自補助金で後押しする京都市では、2008年度に103件だった設置件数(申請ベース)が09年度は11月までの8カ月間で213件に達した。

 世界でも各国が不況対策と併せて環境・エネルギー分野に公共投資を集中させている。米国オバマ政権は再生可能エネルギー開発に10年間で1500億ドル(約14兆円)を投じる計画で、欧米、アジアで数十メガワット級の大規模太陽光発電所の建設ラッシュとなっている。

 成長市場に各国メーカーのシェア獲得競争が激化している。京セラは今春、野洲市に新工場を稼働させ、八日市工場(東近江市)との国内2拠点で太陽電池生産量を09年度の400メガワットから11年度に650メガワットに引き上げる。シャープは堺市の新工場で近く太陽電池生産を始め、全体の生産能力を約1・7倍に拡大。三洋電機や三菱電機も工場新増設で増産を進めている。

 「生産計画の前倒しを検討する必要が出てきた」。京セラの久芳徹夫社長は追い風に乗る市場に確信を深める。ただ競争を勝ち抜くには生産コスト低減が課題で、「過不足ない供給」で生産性向上を重視する。発電効率を高めた新製品を近く投入する一方、イオンと業務提携してショッピングセンターへの販売網拡大に注力する。

 エコ発電の拡大と並行し、IT(情報技術)で効率的に電力需給を調整する次世代送電網「スマートグリッド」整備も動き出した。

 家庭の売電接続の増加から送電網の不安定化対策が必要で、変電装置に強い日新電機は「電力の効率利用、品質を維持する製品群が生きる」(原拓司常務)と事業拡大を狙う。

 今後、住宅専用メーターや送配電設備の整備に多額投資が見込まれ、ニチコンが昨年10月から関西学研都市での実証実験に参加するなど、各電機メーカーが参入に動いている。

太陽光発電市場

 国内メーカーの昨年7〜9月の太陽電池総出荷量は397メガワットと前年同期比31%増え過去最高(太陽光発電協会調べ)。世界の太陽光発電システム導入量は08年に5600メガワットと前年から倍増、累計はドイツ、スペインに続き日本は3位。

【2010年1月8日掲載】