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(3)省エネ

相次ぐ参入、活路探る LED、排出規制で商機
「餃子の王将」1号店に導入されたロームのLED照明。CO2削減の社会要請を受け、あらゆる業界で環境対応が進む(京都市中京区)

 食事客でにぎわう「餃子(ぎょうざ)の王将」1号店の四条大宮店(京都市中京区)。昨年9月の復活オープン当日、運営会社王将フードサービス(山科区)の大東隆行社長は客席天井から注ぐLED(発光ダイオード)照明の明かりにしばし見入った。

 王将は昨年から全国約540店へのLED照明設置を本格化した。導入費は1店50万円前後とかさむが、蛍光灯の約3分の1という省電力や長寿命から「1〜2年で回収できる」といい、今後年30〜50店の導入を進める。

 契機の一つが4月施行の改正省エネ法。一定量以上のエネルギー使用企業に報告義務や削減努力を求め、全店合計されるためチェーン店も対象となる。店舗数が1990年比1・7倍に増えた王将にとって店の「エコ化」は避けられず、太陽電池の導入も進める。

 LED照明は昨年、パナソニックや東芝、シャープなど家電大手が家庭向け電球を発売し、普及が本格化した。新規参入も相次ぎ、国内メーカーでつくるNPO法人LED照明推進協議会(東京)加盟社は4割増の141社に急増。商機拡大と激しい競争の中で各社は活路を模索する。

 ロームは発光効率を高めたLEDチップと制御、無線デバイスなど得意技術を組み合わせたシステムに光明を見い出す。近く電球販売も始めるが、LED事業担当の四方秀明統括部長は「照明だけを安価でさばくことはしない」と周辺機器を含めた収益戦略を描く。

 照準を企業や自治体向けに定め、「まず頂上を攻め、5年以内にオフィス照明の1割に食い込む」(四方統括部長)。職場から家庭への普及を目指す。

 「ついに来たか」。LED開発ベンチャー、エーシック(宇治市)の加藤和伸社長は、4千円を切るLED電球の登場に腹をくくった。素子は外部調達、国内組み立てのためコスト削減には限界がある。「消耗戦はせず、ニッチ市場でトップを取る」(加藤社長)と特注の看板照明やサインの拡販に努める。

 省エネ支援ビジネスも活気付く。オムロンは本年度から電力計測機器と無駄使いを検出するソフトを組み合わせて事業所を診断し、節電策を提案するサービスを始めた。

 昨年12月には、国に先駆けて今年4月から大規模事業所に二酸化炭素削減を義務づける都条例を施行する東京で対策セミナーを開催。参加が100社を超えて立ち見が出たほどで、相次ぐ引き合いに売上高は約10億円に上る見込みだ。勅使川原正樹環境事業推進本部長は「対策が遅れている企業も多く、各社の実態を『見える化』した先にさらにビジネスが広がる」と力を込める。

改正省エネ法

 事業所ごとから企業全体でのエネルギー管理で使用量削減を促す内容。年間エネルギー消費量が原油換算で1500キロリットル(コンビニ30〜40店相当)を超える企業に国への使用状況の報告を義務づける。違反した場合は罰金もある。

【2010年1月9日掲載】