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(4)エコ住宅

独自工法で光熱費削減 ポイント制度を追い風に
エコ需要をとらえ、アルミとウレタンを組み合わせて遮熱性と保温性を高めるウレタン遮熱工法で建築している住宅(南丹市内)

 「公共事業はいずれ先細る。将来につながる事業が欲しい」。建設会社の愛ホーム高屋組(南丹市)は2003年、公共工事依存からの脱却を目指して民間住宅事業に参入した。先を見据えた高屋博文社長の判断だった。

 独自の工法を研究する中で、アルミシートを壁材に応用して冷暖房費の節約につながる特許工法「ウレタン遮熱工法」を開発した。シート内側に気密性が高いウレタンを吹き付けることで約95%の遮熱性を実現した。

 環境性能と経済性をPRして受注を伸ばし、本年度の住宅事業売上高は前年度比1・7倍の見込みだ。シートの販売会社も設立し、高屋社長は「政府が掲げる二酸化炭素(CO2)25%削減もこの工法が標準になれば道が開ける」と鼻息が荒い。

 政府は先月決めた追加経済対策に「住宅版エコポイント制度」創設1千億円を盛り込んだ。本年度上半期の新設住宅着工戸数は前年同期比33・9%減の約38万4千戸と上半期の最低で、「エコ住宅」普及で冷え込む住宅需要を喚起する狙いだ。

 高効率の給湯設備など基準を満たす新築住宅に30万円相当を還元。窓や外壁の断熱改修も対象で、中小業者の問い合わせが相次いでいるという。

 家庭部門のCO2排出量は08年度に1990年比約35%増え、住宅の省エネ化が削減目標達成の焦点だ。不況下で光熱費節減への購入者の関心も高まり、各住宅メーカーが「環境性能をどう打ち出すかが鍵」と開発、販売を競う中で、「エコ」を新たな価値とする住宅市場が広がっている。

 住宅設備販売のイワモトエンジニアリング(京都市北区)は昨秋、地中熱を生かした基礎空調システムの販売を始めた。平均的な面積の戸建てで年間の冷暖房費を40〜50%、CO2排出量で約1トン抑制できるといい、「高まる環境意識に訴えて販売を拡大したい」。

 エネルギー業界では、関西電力が「オール電化住宅」の普及に力を入れる一方、大阪ガスは昨年6月にガスで発電する家庭用燃料電池「エネファーム」を発売、CO2削減効果をアピールしている。

 成長分野に電機、資源関連企業など異業種の参入も相次いでおり、大阪ガスは京セラ、トヨタなどと共同で、小型で発電効率が高い次世代型燃料電池の開発、実用化を進めている。

 いかに新市場のスタンダードを握るか。太陽光発電と燃料電池を組み合わせ、さらに余剰電力を電気自動車に充電したり、ITで管理するなど、さまざまなエコ住宅の実証実験が繰り広げられている。

住宅版エコポイント

 省エネ性能の高い住宅の新築、改修にポイントを付与。新築は省エネ法のトップランナー基準(高効率冷暖房、給湯器など設置)相当、改修は二重サッシ、断熱材の施工など対象。交換品は家電向けより広範囲となる予定。

【2010年1月12日掲載】