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(2)創エネ

自然の力で発電、加速 風力や太陽光の導入進む
生田産機工業が敷地内に設置した風力発電機。垂直に取り付けられた羽根が風をとらえ、軽やかに回る(京都市伏見区)

 伸銅設備機器製造の生田産機工業(京都市伏見区)にある風力発電機。5枚の羽根が静かに回る。同社の渡辺千裕環境グループリーダーは「風速2メートルのそよ風程度でも発電します」。

 地球温暖化防止京都会議を機に、環境関連分野への進出を模索し始めた。2006年に京丹後市の道の駅に設置したのをはじめ、これまでに学校などの非住宅に計8機取り付けた。昨年10月に導入した京都信用金庫枚方支店(大阪府枚方市)の真下隆三支店長は「縦型のプロペラがどの風もとらえる」と話す。

 生田産機工業は風力発電事業の拡大を狙う。京都産業エコ推進機構の「京都力結集エコ住宅」事業に09年の研究段階から参加するほか、立命館大の酒井達雄教授とは潮の満ち引きを利用した「潮汐(ちょうせき)発電」との組み合わせを探る。渡辺グループリーダーは「エネルギーを地産地消する『マイクログリッド』市場への参入を視野に開発を続ける」。

 地球温暖化が進む中、太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーを生かして発電する「創エネ」に注目が集まり、企業の動きは加速している。

 ニチコンは06年度から北陸電力(富山市)などと共同で、蓄電機能付き風力発電システムを開発。昨年8月、志賀(しか)風力・太陽光発電センター(石川県志賀町)で実証実験に入った。太陽光発電と蓄電池を組み合わせた電気自動車向け充電器も、昨年から高速道路など5カ所に設置しており、古矢勝彦執行役員は「それぞれのユーザーが期待する自然エネルギーとの共生を実現していく」と話す。

 太陽電池の増産を進める京セラは、新エネルギー・産業技術総合開発機構が米国ニューメキシコ州で10年度に始めた実証事業に参加している。太陽光発電パネルや蓄電池などを備えた上、家庭内の機器や設備を効率的に運転するシステムで省エネを図る「スマートハウス」と一般住宅を比較する。

 実証期間は13年度までで「太陽電池を核とした事業を確実に推進し、さらに通信、機器、ソリューションの事業を通じて培った技術を融合して、京セラとしてどう関わっていけるかを模索していく」(広報室)と事業拡大を探る。

再生可能エネルギー

 太陽光や水力、風力、地熱、バイオマスなど、利用しても比較的短期間に再生でき、資源が枯渇しないエネルギー。昨年6月に閣議決定された「エネルギー基本計画」は、再生可能エネルギー由来と原子力を合わせ、二酸化炭素を排出しない「ゼロ・エミッション電源」の比率を現状の34%から2030年に約70%に引き上げるとした。原発14基以上の新増設が前提だったが、福島第1原発事故で増設は困難となり、再生可能エネルギーに注目が集まっている。

【2011年4月20日掲載】