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(4)制御

電力品質の維持が鍵 技術生かして参入狙う
出荷前のパワーコンディショナーを点検する日新電機社員。パワーコンディショナーを含め太陽光発電をシステムとして提案する(京都市右京区・日新電機)
 「太陽光発電がたくさん導入されると、電力品質が乱される。当社の出番だ」。日新電機技術開発研究所の荻原義也所長は事業拡大に期待する。

 電力品質は電圧や周波数が一定であることなどが要件。太陽光や風力など自然エネルギーによる発電は天候に左右されるため、電力系統へ大量に接続されると、周波数が変動してしまう。制御の確実性がスマートグリッド(次世代送電網)実現の一つの鍵となる。

 日新電機のスマートグリッド関連の取り組みは幅広い。風力発電量に伴う系統の電圧変動を抑える装置、太陽電池からの直流電力を商用の交流電力に変換する装置「パワーコンディショナー」、受変電設備の劣化兆候の外部監視装置などを製品化している。

 昨年10月には社内で、中小規模の工場やビル向けの「多機能電力貯蔵装置」の実証実験を始めた。関西電力を研究主体に、川崎重工業のニッケル水素電池を採用。電力使用量の平準化、瞬時電圧低下対策、停電対策の機能を備えた装置で、関西電力は2015年度の発売を目指している。

 荻原所長は、これまで培ってきた技術がスマートグリッドで生かせると自負する半面、「日新電機本体は大きな装置を作ってきた。通信を使ってデータを集め、エネルギーを最適にコントロールするという概念はあまりなかった」。太陽光発電のモニタリングシステムなどを手掛ける子会社との連携を強化する構えだ。

 不二電機工業の小西正社長も「スマートグリッドは発電、送電、変電、配電関係をネットでつなぎ需給を最適制御する仕組み」とし、情報通信技術の重要性を指摘。拡大が見込まれる市場への進出をうかがう。

 消費電力を計測する「スマートメーター」のうち電気制御ユニットで参入の余地を探っている。自然エネルギーの発電所と変電所の間に設置が想定される蓄電設備の接続機器、電気を最適制御する監視パネル関連でも可能性があるという。社内で新製品研究を行う部門が需要の把握を進めており、小西社長は「必ず参入できる分野があると見て取り組んでいる。また、参入すべきだと思っている」と話す。

電力品質

 停電がなく、電圧や周波数が安定していることが品質の高い電力とされる。電圧は101ボルトのプラスマイナス6ボルト以内、周波数は関西では60ヘルツで一定であることが求められる。品質が乱れると、電気機器が正常、安全に作動しない場合がある。昨年12月には、中部電力の電圧が一瞬低下したため多くの工場が操業を停止し、高い電力品質に頼る日本の製造業のぜい弱さが浮かび上がった。

【2011年4月22日掲載】