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(1)災害

生産拠点の分散化 課題
東日本大震災で被災した宮城県内の村田製作所子会社。従業員の安否確認などが課題となった(登米市)=村田製作所提供

 3月11日の東日本大震災は日本経済に打撃を与え、被災地だけでなく京滋企業の生産・販売活動にも大きな影響をもたらした。

 ニチユは販売2拠点が津波で流され、GSユアサや野崎印刷紙業、ニチコン、村田製作所、ロームなどの生産拠点も操業停止した。自動車業界など間接影響も広がり、従業員の安否確認やサプライチェーン(部品の調達・供給網)の確保、生産品目の分散化など、危機管理を見直す動きが進んだ。

 被災地復興に向け、不二電機工業は発電所や変電所の受配電盤用機器などの生産に追われた。福島第1原発事故を受けて堀場製作所は環境放射線モニターを増産、島津製作所子会社も食品などの放射能測定サービスを始めた。夏以降は各業界で生産・流通体制の回復が進み、9月中間決算では震災影響が想定を下回る企業が目立った。

 ところが、10月に入って東南アジアの生産拠点となっていたタイで洪水被害が拡大。京滋メーカーの工場も浸水で相次ぎ操業停止した。ロームは主力工場が水没して復旧費などに85億円を要し、本年度決算は上場以来初の赤字見通し。日本電産やオムロン、日新電機などの工場も被害を受け、代替生産での供給確保に追われた。

 さらに国内製造業の足かせとなっているのが原発事故後の電力供給の不安だ。関西でも夏場に続いて今月19日から10%以上の節電要請期間に入った。各社は空調や照明の使用減や自家発電の導入のほか、休日操業など生産シフトに踏み切る動きも出ている。停止中の原発の再稼働のめどが立たず、長期化が見込まれる電力不足への対応が課題となっている。

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 震災、電力不足、超円高…。「想定外」が相次いだ環境下でさまざまな対策を講じ、再生・成長を探った京滋経済の2011年を振り返る。

【2011年12月21日掲載】