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(3)観光

震災と円高、海外客減少
東日本大震災や原発事故の影響で例年より花見観光客が少なかった嵐山一帯(4月12日、京都市右京区)

 3月の東日本大震災と福島第1原発事故の影響が、国際観光都市・京都のにぎわいに大きな打撃となった。

 中でも昨年に宿泊客98万人と過去最多を記録した外国人客が大きく減少した。京都駅ビル内の京都総合観光案内所を訪れた外国人客は震災直後の4月が前年同月比76・5%減、5月は同60・0%減と激減。長引く原発事故処理への懸念とともに歴史的な円高がのしかかり、11月も同19・6%減と本格回復に至っていない。

 京都市内のホテルの客室稼働率も春の観光シーズンの4月に70・7%、5月も79・4%に落ちたが、6月からは好転して回復が進んだ。同案内所の全体来所者数は9月以降、前年同月を超えており、昨年に続いて閑散期の8月に催された「京の七夕」は宿泊者数が3割増えた。

 府内では、高速道路の「休日上限千円」と無料化社会実験が6月で終了。無料化区間の舞鶴若狭自動車道沿いの府北部などに京阪神一円から集客効果を上げたが、7月以降は減少傾向に。一方で、10月末〜11月初めに府内全域で繰り広げられた国民文化祭・京都2011は全国から参加者を集めて各地の魅力発信に一役買った。

 観光関連業界も震災後の客足呼び戻しへ知恵を絞った。京都市中心部の四条繁栄会は普及が進むスマートフォン(多機能携帯電話)向けに店舗情報を流す公衆無線LANを整備、河原町商店街は交通・観光案内所を開いて観光客誘致に努めた。

 ホテル業界では往年の銀幕スターも愛用したホテルフジタ京都(中京区)が1月に営業を終了。跡地には「ザ・リッツ・カールトン京都」が2014年2月に開業する予定。

 滋賀県は地元ゆかりの大河ドラマ「江〜姫たちの戦国」放映の効果に沸いた。長浜市で1月から12月4日まで開かれた「江・浅井三姉妹博覧会」には当初予想の3倍以上の118万3千人が来場。効果は黒壁スクエアや彦根城など周辺の観光スポットにも波及した。

 来年は京都、滋賀にもかかわる大河ドラマ「平清盛」が放送されることもあり、広域的な観光の盛り上げが期待されている。

【2011年12月23日掲載】