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(4)商業

客足増加へ連携探る
京都マルイのオープンに詰め掛けた買い物客(4月27日、京都市下京区)

 「今年の漢字」に選ばれた「絆」は、困難な環境を乗り越えようと摸索する京都や滋賀の小売・サービス業界のテーマにもなった。

 各百貨店は中元、歳暮向けに東日本大震災の被災地の物産品を数多くそろえ、京都生活協同組合も農水産物を積極的に扱った。錦市場などの商店街も催しで東北産品を並べ、客も復興を後押しした。

 ただ、震災後は消費全般が落ち込み、消費者の買い控えも広がった。京都市内5百貨店の総売上高は2月には前年実績を上回っていたが、3月以降は前年割れが続いており、クリスマス・歳末商戦でも家族らで楽しむ飾り物や団らんの商材で巻き返しを図っている。

 食の安全をめぐっては焼き肉チェーン店での集団食中毒を受け、多くの店で生肉のユッケなどが姿を消した。生食用は加工や調理の新基準が設けられたが、国の暫定基準値を超える放射性セシウムが検出された牛肉の流通問題も尾を引き、牛肉需要は低迷している。

 商業地図の変化も進んだ。京都一の繁華街・四条河原町では、昨夏に閉じた四条河原町阪急の後継テナントとして4月に丸井グループが関西3店目の「京都マルイ」をオープン。女性向けファッション店を中心に展開し、大型量販店の集積が進む京都駅周辺との集客競争が注目を集めた。

 郊外地域でも、京都、向日両市にまたがるキリンビール工場跡地の再開発で2月、一部用地をイオングループの開発・運営子会社イオンモールが購入。複合商業施設が開発される。今月9日には府内初となる米国系の会員制大型量販店「コストコ」が八幡市にオープンした。

 一方、家電量販店で京都最大手の谷山無線電機が9月、全国2位のエディオンとフランチャイズ契約を締結。府内7店が系列の「ミドリ電化」チェーンとなり、京都市・寺町電器街の象徴だった「タニヤマムセン」の看板が消えた。

 滋賀では平和堂が12月、8店を擁する地場食品スーパー「丸善」を買収、子会社化する契約を締結。さらなる店舗網の充実で県内地盤の強化を進める。

【2011年12月24日掲載】