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大和証券グループ本社社長 中田誠司氏

長期投資、流れつくる
中田誠司氏
なかた・せいじ 早稲田大政治経済学部卒。1983年、大和証券入社。旧大和証券SMBC執行役員などを経て、2009年に大和証券グループ本社取締役就任。17年4月から現職。東京都出身。57歳。

 世界的な景気回復で投資意欲が高まり、東京株式市場は日経平均株価が21年ぶりの高値を付けた。国内で1800兆円に上る家計の金融資産は投資に向かうのか。大和証券グループ本社の中田誠司社長に戦略を聞いた。

 -株式市場の見通しは。
 「北朝鮮を中心に地政学リスクはあるが、米国の景気回復と緩やかな金利上昇に伴う円安基調が続けば、年内の国内株式市場はもう少し望みがある。日本は先進国に比べて金融資産に占める有価証券の比率が著しく低く、投資に向かう余地は大きいと考えている」

 -営業戦略は。
 「全都道府県に拠点を置いているが、カバーすべきエリアはまだ多い。現在は5人程度の営業所を拡大し、年4、5カ所に新規出店している。関西では今後10カ所程度の新設を計画中で、11月には大津市に営業所を新設する。京都も、伏見に続く拠点を検討中だ」

 -相続ビジネスにも注力している。
 「現在も推定で年50兆円の遺産相続が発生していると言われ、今後10年でとてつもない規模になる。日本の個人金融資産は団塊世代の70歳前後の層が最も大きく、20年かけてその子どもに資産の大移動が起きる。相続コンサルタントの配置店舗を現在の65拠点から100拠点に増やす。今月から高齢者専用の営業窓口も試行し、多様化する相続や資産運用ニーズに対応する」

 -金融資産は貯蓄から投資に向かうのか。
 「デフレ期は現金が強いが、その出口が見えつつある今、長期間の投資が重要になる。来春から始まる少額投資非課税制度の長期積立枠『つみたてNISA(ニーサ)』や個人型の確定拠出年金(DC)『iDeCo(イデコ)』をPRし、投資への流れをつくる」

 -証券会社を作る地方銀行も増えてきた。
 「銀行の証券ビジネス参入は歓迎したい。有価証券は金融資産全体の約15%しかなく、銀行がPRしてくれることは業界にとってプラスだ。収益を出すには時間がかかるが、人材教育などをお手伝いしたい」

 -長く働き続けられる環境も整えた。
 「営業職の継続雇用で70歳としてきた『定年』を今年撤廃した。心身とも元気なシニアは多く、年齢だけで辞めてしまうのは損失だ。顧客が高齢化する中、同年代の営業担当がいるとむしろ安心感も持ってもらえる」

【2017年10月21日掲載】