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関西文化学術研究都市推進機構理事長 柏原康夫氏

創薬分野の先進地に
柏原康夫氏
かしはら・やすお 滋賀大経済学部卒。1963年京都銀行入行。頭取、会長を経て2015年6月から取締役相談役。11年5月に関西経済連合会副会長就任。同年6月から現職。兵庫県出身。77歳。

 京都、大阪、奈良にまたがる関西文化学術研究都市(けいはんな学研都市)が、建設促進法の施行から今年でちょうど30年を迎えた。企業立地や定住人口は着実に増え、街は成熟しつつある。新ステージに立つ科学都市の針路を、推進機構の柏原康夫理事長に聞いた。

 -学研都市への企業進出が相次いでいる。
 「バブル崩壊で一時は停滞したが、近年は京都大大学院付属農場の開設や企業の拠点建設で、非常に良い方向に回転している。中堅・中小企業にとっても魅力的で、立地する大企業や研究所といろんな形で連携が深まるようサポートしたい」

 -企業の用地が足りなくなっている。
 「未開発の土地は多く、京都府に早期の造成をお願いしている。一方、インフラ面では新名神高速道路が建設中で、城陽市の山砂利採取跡地には商業施設の開発計画もある。北陸新幹線がJR松井山手駅に接続するルートも決まった。社会基盤の整備が大きく前進し、学研都市の中心部は将来『都心』と言える姿になるだろう」

 -これからの学研都市をどう考えるか。
 「全人類の課題を解決するという当初理念は変えず、人の営みに欠かせない医療や食糧、エネルギーの問題に引き続き取り組む。新たに狙いたい分野は創薬だ。理化学研究所が新薬開発拠点の開設を決め、近くには奈良先端科学技術大学院大もある。願わくば、治験ができる医療機関がほしい。そうすれば、バイオや医療に力を入れる神戸市など関西の研究拠点とも連携が広がるはずだ」

 -域内外の交通網はどう考えるか。
 「アクセスが悪く、『陸の孤島』と揶揄(やゆ)された時期もあったが、現在は随分改善した。高速道路網の整備や懸案の国道163号の拡幅も進み、分散する地区も短時間で結ばれつつある。学研都市にふさわしい交通手段として、自動運転技術による無人バスや燃料電池バスを走らせるのも夢だ。実現に向けて産学官でプロジェクトを立ち上げられたらいい」

【2017年04月21日掲載】