京都新聞TOP > 経済特集アーカイブ > この人に聞く
インデックス

三井住友信託銀行社長 橋本勝氏

資産運用や相続に力
橋本勝氏
はしもと・まさる 東京大法学部卒。1980年、三井信託銀行(現三井住友信託銀行)入社。中央三井トラスト・ホールディングス常務執行役員などを経て、2017年4月から現職。神戸市出身。60歳。

 国内唯一の専業信託である三井住友信託銀行が、資産運用や相続ビジネスに注力し、手数料収入などで収益強化を図っている。4月にトップに就いた橋本勝社長に事業戦略を聞いた。

 -足元の事業環境をどう見るか。
 「日銀のマイナス金利政策が長期化し、貸し出しによる金利収入など資金利益が減少している。地域金融機関でも資金運用が難しくなり、運用の依頼が増えた。個人は高齢化の中で資産形成や相続関連ニーズが高まっており、顧客基盤と信託の機能をフル活用したビジネスを積極化する」

 -信託ビジネスに参入する地方銀行も全国で増えつつある。
 「多くの地域金融機関とは代理店契約を結び、お客さまを取り次いでもらう関係だ。新規参入は相続関連が中心になると思うが、遺言書が作れても、不動産の処分など遺産整理は専門的なノウハウが必要で対応は難しい。地域金融機関から遺言執行を受託するケースが増えており、一緒にやれば『ウィン-ウィン』の関係が築ける」

 -高齢化にどう対応する。
 「認知症の人が増え、預かった金銭を裁判所の指示を受けて払い出す後見制度支援信託が急拡大している。相続の手続きは1件ごとの個別性が高い。それぞれに対応する必要があるため、労働集約型のビジネスと言え、IT(情報技術)や機械で代替するのは難しい」

 -コスト削減は多くの金融機関の課題だ。
 「信託銀行3社が合併して5年がたった。重複店舗やシステムの統合を進め、銀行単体の経費率は大手行の中でも低い状況だ。対面のコンサルティング営業を重視し、店舗を減らす考えはない。住宅ローンも、個人の属性データを蓄積して個別の信用コストを分析しているため、他行より競争力のある金利で勝負できている」

 -京都、滋賀での営業戦略は。
 「京都支店は1941年開設で、個人顧客は7万世帯、法人も含む金融資産残高は7100億円に拡大した。国内屈指の規模で重要な市場だ。個人、法人に対応した総合店舗だが、相続ビジネスや年金信託、不動産など幅広く力を入れたい」

【2017年11月24日掲載】