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グンゼ社長 廣地厚氏

衣料、ネット販売強化
廣地厚氏
ひろち・あつし 岡山大法文学部卒。1983年、グンゼ入社。2012年に取締役に就任し、常務や専務を経て今年4月から現職。大阪府出身。57歳。
 グンゼは今春、5年ぶりのトップ交代で新体制をスタートさせた。消費不振が続く中、主力のアパレル事業をどのように成長させるか。苦戦する電子部品など非繊維分野の立て直しも課題だ。廣地厚新社長に今後の戦略を聞いた。

 -フィルムやタッチパネルなどの電子部品事業が不振だ。
 「中国企業の台頭がめざましく、市況の激変についていけなかったのが原因。国内外三つの製造拠点のうち、台湾は秋に事業撤退する予定だ。亀岡市の工場も縮小させる方向で検討しており、18年度中に損益ベースでゼロにもっていきたい。硬度やペン入力のしやすさなど、自社製品の強みを生かし、他の事業分野とシナジーを探って立て直しを図る」

 -下着や靴下などアパレル事業はどうか。
 「市況は良くない。衣料品を置いていたGMS(総合スーパー)から食料品スーパーに小売店舗の転換が進み、売り場そのものが減っている。卸売のウエートは圧倒的に高いが、今後はインターネット販売に力を入れていきたい。中国などへの越境EC(電子商取引)も進めていく」

 「国内向けには、メンズやレディースのインナー(下着)を網羅する当社製品の強みをPRしながら、アウター(上着)にも力を入れる。昨年はカジュアル衣料店を買収した。下着も上着もそろえた『トータルアパレル』の方向を打ち出していく。企業買収は一つの策として考えていきたい」

 -手術用縫合補強材や骨接合材など医療用素材分野は好調だ。
 「綾部市で研究や製造の拠点を整備しており、秋に稼働予定だ。今後も業績の伸びが期待できるメディカル分野の国内拠点となる」

 -創業地である京都での事業展開は。
 「男性用高級下着ブランドのSEEK(シーク)は、宮津市内の工場でほぼ全ての商品を生産している。『メードイン京都』を打ち出し、京都との関わりを積極的にPRしたい」

【2017年06月03日掲載】