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本人名義確認を!

2009年株券電子化で証券業界
株券の電子化移行をアピールするポスター(京都市下京区・西村証券)
 株式の取引に関連する法律の改正で、2009年6月までに上場会社の株券が一斉に電子化(ペーパーレス化)される。移行までまだ二年もあるが、本人名義でない株券は移行時に株主の権利を失効する可能性があるため、証券業界では株券所有者に早めに名義書き換えするよう注意を呼びかけている。
 株券の電子化は、株券の盗難や紛失のリスクを避け、効率的に株式を管理するシステム。売買に伴う株券の受け渡しや株式取得の名義書き換えなどの煩雑な手続きを軽減できる。一斉移行日は政令で定められるが、実務にあたる証券業界では「09年1月を実施目標と定め、事務システム移行の準備を進めている」(日本証券業協会)。
 移行日には、株式の保有は証券会社などの口座に電子的に記録する方法に一元化される。電子化で株式売買は安全で便利になるが、自宅や貸金庫などで株券を個人管理している人は注意が必要。
 株券を本人名義で証券会社に預けている人は移行手続きは不要。だが、個人で株券を管理して本人以外の名義で所有している場合は名義を書き換えないと移行後に株券が無効になる可能性がある。
 電子化移行時、株券の発行会社が株主名簿をもとに特別口座を開設する際に名義株主の名前で特定口座が開設されてしまうからだ。本人名義でない株券は、株券の発行会社か証券会社に相談して名義書き換え手続きが必要となる。
 移行時の混乱を防ぐため、地場証券各社は利用客へのPRに早くも取り組んでいる。地場証券の西村証券(京都市下京区)は、利用客に株券の本人名義確認を求めるPRを06年の前半から始めた。店頭でのポスターやパンフレットの配布、ホームページでの専門コーナー作成などで、証券保管振替制度を利用した証券会社への株券の預入を奨励。電子化に関する相談に応じ、電話一本で株券を取りに行くサービスも実施している。
 「理解は進んでいるが、長年親しんだ株券がなくなると不安がる高齢者も多い。高齢層やタンス株券保有者など関心が低い層への呼びかけが課題」(証券管理部)として、07年もPRの機会を増やすという。
 大手証券会社も「電子化関連で困った時には証券会社に相談してほしい」と利用客にアドバイスしており、相談業務を強化している。個人で株券を管理している株主は、名義をしっかり確認して専門家に相談し、保管振替制度で早めに証券会社へ預け入れたほうがよさそうだ。
≪保管振替制度≫  証券保管振替機構が株券を集中的に保管し、株式の売買に伴う受け渡しや名義書き換えなどの手続きを簡素化する制度。ほふりとも呼ばれ、株券を預託しておけば既存の顧客口座簿の内容が新制度に引き継がれるため、簡単に制度移行できる。
【2007年1月18日掲載】