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団塊市場 花盛 −京の個人消費

趣味、健康 心つかむ ひと仕掛け
団塊世代向けに復刻版の衣料品などをPRする百貨店の特設売り場(京都市西京区・高島屋洛西店)
 「団塊の世代」をターゲットに据えた商品やサービスの開発が活発化している。退職後に趣味に力を入れたり、健康に気をつかうなど、消費行動の変化が見込まれるためだ。今年から大量退職が始まる団塊世代は、ファッションや娯楽など消費文化の担い手だっただけに、各社とも従来のシニア向けとはひと味違う工夫を凝らしている。
  団塊世代向け市場で注目されるのが、まず趣味の分野。JEUGIAが昨年オープンした音楽教室「大人のための音楽レッスン」(京都市下京区)は、在籍者がこの半年で1・5倍に急増した。昼間に通う団塊世代が多くなったためで、サクソホンやバイオリンなどを一から習う人もいる。
★「おやじバンド」
 同社が3カ月ごとに開く「おやじバンドライブ」には、40代だけでなく、平均60歳以上のバンドも多数参加するようになった。楽器の売り上げの伸びにも影響し、ギターやベースが微増、管楽器や弦楽器も前年から10%以上伸びている。同社は「団塊世代は自分の関心事に惜しまず金を使い、高齢者という枠にはまらない人も多い。新市場として仕掛けを続けたい」(広報担当)と話す。
 また、家電量販店のタニヤマムセン(下京区)では、カメラ売り場を訪れる年配の男性が増えている。「退職を機に旅行に行くので買う、というお客も多い」(寺町本店)。人気は一眼レフのデジタルカメラ。コンパクトタイプでもズームや手ぶれ補正などの機能が充実した商品が好まれるという。松下電器産業が10倍ズームでモニターが大きいコンパクトタイプを出すなど、メーカー側も使い勝手の良さを追求している。
 健康もキーワードの一つ。軽い運動を始める人を対象にした商品開発が盛んだ。アウトドア専門店「ワイルドワン京都宝ヶ池店」(左京区)の関矢守副店長は「ウオーキングシューズに力を入れる登山靴メーカーが増えてきた」と話す。色合いも茶やベージュなど、年配者に好まれそうなバリエーションが増えているという。
 「VAN(ヴァン)」などのファッションブランドに親しんだ世代だけに、還暦を過ぎてもおしゃれに気を使うという見方も強い。男性肌着最大手のグンゼは、春夏商品で団塊世代を念頭に置いたブランドを展開する。「ボディナビ」ではネクタイを外しても首もとが見えないVネックTシャツ、「クラックス」では絹と綿の混紡糸を使った高級シャツに力を入れる。
★青春時代題材に
 高島屋洛西店(西京区)も17日まで、団塊世代の青春時代をテーマにした販売企画を初めて開催している。米衣料ブランド「マックレガー」は、1970年代に流行した衣料品約三十種類を特設コーナーでアピール。目玉商品は俳優ジェームス・ディーンが映画「理由なき反抗」で着た真っ赤なジャンパー「ドリズラー」の復刻版で、懐かしそうに商品を手に取る人も多いそうだ。
 同店は洛西ニュータウン内にあり、来店者は近隣の50−60代が半数を占める。嶽釜彰夫・洛西販売部統括グループマネジャーは「ニュータウンは団塊世代が多く住むため、ビジネスチャンスが大きい」と、高付加価値商品をそろえた販売企画を定期化する方針だ。
【2007年4月10日掲載】