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電子マネー 急速拡大

京滋で小売り大手 相次ぎ導入
電子マネーの決済端末設置を進めている平和堂のスーパー(京都市伏見区、アル・プラザ醍醐)
 現金を使わず、携帯電話やカードで買い物の決済をする「電子マネー」で、大手チェーンを中心とした京都、滋賀の小売店が、専用端末を設置してサービスを始めるなど活発化させている。電子マネーは四月から大手スーパーが独自規格で発行に乗り出すなど急速な広がりを見せている。ただ消費者の利用率や決済金額が低く、導入には慎重な地元業者もいる。

小規模チェーン 費用対効果で慎重

 平和堂は十七日から、総合スーパー「アル・プラザ醍醐」(京都市伏見区)など京都府内の十一店で、電子マネーの読み取り端末をレジに取り付け、食品などの買い物決済に使えるようにした。使える電子マネーは、プリペイド(前払い)型の「Edy」と、NTTドコモの携帯電話によるポストペイ(後払い)型の「iD」の二種類。九月中旬までに、地盤の滋賀県を含めた全百十八店に拡大させる計画。
 流通業界では、イオンとセブン&アイ・ホールディングスの大手二社が、独自規格の電子マネーを四月から発行。セブン&アイが京滋のセブン−イレブン約三百店で二十八日から利用を始め、イオンも二〇〇七年中に関西での展開を予定。平和堂も総額約十億円の投資を行い、対抗した形だ。
 平和堂は各店で電子決済を行うと、会員カードに特別なポイントを加算するキャンペーンを定期的に実施。同社ライフサービス事業部は「電子マネー利用率を高めることで、レジ時間の短縮化など業務の効率化も行える」としている。
 書籍チェーンの大垣書店(北区)はこれに先立ち、〇六年一月から計十八店で「Edy」の端末を設置した。月間ベースで利用者が約二千五百人、決済金額が約三百五十万円と、開始当初に比べて、五、六倍近くに伸びたという。大垣守弘社長は「京都や大阪の都心部店では利用率が高まっており、急速に普及する兆しがある」とみている。
 ただ、地場の食品スーパーチェーンは導入に二の足を踏んでいる。「マツモト」(亀岡市)や「フレスコ」運営のハートフレンド(京都市中京区)、京都生活協同組合(南区)は「研究はするが、いまの時点では検討していない」と慎重な姿勢だ。
 電子マネー決済は、平和堂が京滋に先駆け四月から大阪府、兵庫県の十店で導入したが、レジ利用人数や決済金額は全体の約2%。大垣書店でも1%未満と、利用率は低い。業界関係者には「薄利多売の小規模チェーンでは、費用対効果が見込みにくい」と指摘する声もある。
 東京や大阪では、JRや私鉄など鉄道系ICカードも普及。スーパーだけでなく、ドラッグストアやファミリーレストランなど業態を超えて同サービスが進んでいる。「Edy」を発行する電子マネー最大手のビットワレット(東京都)は「電子マネーはスーパーや鉄道業者の参入で種類が増えた。消費者の抵抗感も薄れており、今年は普及が進む転換点になる」と強調している。
【2007年5月24日掲載】