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投信 資産運用 広がる

利回り魅力も リスクご注意
京滋の金融機関の投資信託残高
 ボーナスシーズンを迎えて、資産運用手段の一つとして投資信託に注目が集まっている。地元金融機関の投資信託販売は右肩上がりで、「貯蓄から投資へ」の流れはさらに加速している。だが、高い手数料負担や元本を割るリスクもある。トラブルを防ぐためには、契約内容の十分な点検など運用実績の数字だけに惑わされない注意が必要だ。

3月期残高 前年比4―6割増 京滋でも販売好調

 投信は、投資家から集めた資金を一つにまとめ、投資のプロが運用し、成果に応じて投資家に収益が還元される。運用実績が不調なら元本割れリスクもあるが、好調なら預貯金よりも高い利回りとなるため、低金利時代で注目を集めている。
 地元金融機関でも投信販売は好調で、二〇〇七年三月期の残高は前年同期比四−六割伸びており、「今後もさらに販売を拡大する」(京都銀行)と攻勢が続く。
 〇五年に投信販売を始めた日本郵政公社でも「着実に伸びている」(広報グループ)といい、京都管内での今年五月末の残高は二百三十六億円に上った。投信セミナーを府内で定期的に開催し、当初は三社五商品だった取り扱い投信も現在は六社九商品に拡充し、選択の幅が広がったことも奏功している。
 投信人気には、ゼロ金利時代に銀行や郵便局での窓口販売が解禁され、預貯金者に資産運用の選択肢が広がり、関心が高まった背景がある。株式運用に及び腰の預貯金者も気軽に預ける感覚で投信が定着してきている。ただ、投信商品を選ぶ際には注意が必要で、トラブルの元になりかねない点もあるようだ。
 金融機関の投信関連商品で人気が高いのが、定期預金とのパック商品。投信との同時購入で定期預金を金利優遇するのが特徴で初心者向けに最適だが、金利表示の認識に注意がいる。
 例えば、パックの定期預金の金利優遇が年4%としている場合はあくまで年率表示。注意書きでは当初三カ月のみと表示してある三カ月ものがほとんどで、三カ月後の満期には元本に対して4%のうち三カ月分(四分の一)の1%分の利息しかつかない。三カ月の満期後は店頭金利での継続となる。
 また、投信は元本割れリスクも伴う。金融機関では高齢者の購入の際には利率は低いが元本保証の商品を勧め、家族の同意を得るなど説明に注意しており、ハイリスクの商品は十分な説明を受けた上で購入することが大事。手数料も大体購入額の2−3%程度かかり、収益と相殺される場合もある。購入の際は表示金利と手数料との差額を確認することも必要となる。
 投信は預貯金と違い、投資商品で購入はあくまで自己責任。専門家に相談することも商品選択の手助けとなる。日本ファイナンシャル・プランナーズ協会京都支部に加盟するファイナンシャルプランナーの清水幸一氏は「投資にうまい話はない。説明をよく聞いて商品を知り、分からない商品には手をださないこと。運用次第では手数料のほうが高くつく場合もあるのですべて納得してから購入を」とアドバイスする。
【2007年7月3日掲載】