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丹後ブランド発信へ 宮津の日本通信子会社

初の「メールポータビリティーサービス」
丹後通信のサービス
 通信事業者の日本通信(東京都)が今夏、宮津市に設立した子会社の丹後通信が、携帯電話向けの新しいメールサービスを十二月中旬にも始める。希望者には自社独自のドメイン「@tangomail.jp」のアドレスを配布して丹後ブランドを全国へ発信。将来的に携帯電話三社の相互接続を行い、他社の携帯電話に変えてもメールアドレスが変わらない業界初の「メールポータビリティーサービス」の提供に向けて準備を進めている。

アドレス変更なく 携帯乗り換え

 丹後通信は、既存業者の回線を借りてサービスを実施する仮想移動体通信事業者(MVNO)となり、新サービスを提供。NTTドコモの通信網と相互接続してiモードメールの代わりに丹後通信のアドレスでのメール利用を可能にする。現在はドコモのみだが、KDDIとソフトバンクモバイルにも相互接続を申請し、返事待ちの状態という。
 各社が丹後通信との相互接続に同意すれば、三事業者の携帯電話利用者は、他のキャリア会社の携帯電話に変えても同じ丹後通信のメールアドレスで使い続けることが可能になる。
 サービスの予約受け付けは十月に始めており、料金は無料。メールポータビリティーサービスで丹後通信の認知度を上げ、来年度からはタンゴメールの応用ソフトや法人向けのSNS(交流型の会員型サイト)などを開発し、収益を得る計画にしている。
 同社は、単なる新メールサービスだけにとどまらず、過疎地域で無線通信によるモデル地域をつくるために今年八月に設立した会社で、本来の目的である地方の活性化に重点を置く。
 メールサービスは全国で展開するが、地方の情報格差を是正するため、宮津を中心にした地域密着のサービスの提供も計画。MVNOとして携帯電話網や次世代無線通信のワイマックスを利用して、高齢者向けの医療サービスや海産物のネット販売、食害監視向けの動物監視システムなど地元に根ざした無線サービスの展開も視野に入れる。
 MVNOは、既存事業者の回線を使用するため、新規業者の参入でサービスの多様化や通信料金の低下が期待される事業で、総務省が民間事業者に導入を促進している。近畿総合通信局は「携帯電話市場の活性化につながり、京都北部の地域格差を解消する手段となりうる」(電気通信事業課)と同社の取り組みへの期待は大きく、丹後をモデル地域に据えて今後も支援する構えだ。
 丹後通信の沼田憲男社長は「需要の多いメールポータビリティーサービスを第一段階として、無線サービスのモデル地域を立ち上げ、地域活性化に役立ちたい」と話している。
【2007年10月25日掲載】

≪MVNO≫

 モバイル・バーチャル・ネットワーク・オペレーターの略で「仮装移動体通信事業者」と訳される。NTTドコモなど既存の通信事業者から回線を借りて、自社独自の通信サービスを展開する事業者を指す。インフラの整備が必要なく、低コストで通信事業に新規参入できるため、総務省が「モバイルビジネス活性化プラン」の中で、政策の柱に据えている。