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インデックス

IC決済 多方面に拡大

利用者獲得に弾み
近鉄タクシーが導入したPiTaPaとiDが使える読み取り端末機器
ピタパ 1万6000店で買い物/タクシーやバス料金も
イコカ 電子マネー相互利用/時間貸駐車場で使用可

 電車の運賃支払いなどに利用できるIC決済サービスの活用が多方面に拡大している。京都市営地下鉄などで使える「PiTaPa(ピタパ)」は買い物ができる店舗が増加し、タクシーやバスでの採用も広がってきた。一方、JR西日本の「ICOCA(イコカ)」は提携戦略を加速しており、時間貸駐車場での利用や他社の電子マネーとの相互利用などが可能になっている。

 PiTaPaは、二〇〇四年に始まったチャージ不要の後払い方式の多機能ICカード決済サービス。鉄道では、京都市営地下鉄のほか、近畿日本鉄道や阪急電鉄、京阪電気鉄道など関西一円の改札機で利用できる。店舗で買い物に使う際はサインの必要がなく、採用店舗は現在一万六千店以上に増えた。

 PiTaPaを料金決済に採用する企業も徐々に増えてきた。京阪バスは十月から高槻営業所管内路線で順次導入を始めた。京阪京都交通も〇八年春の導入を予定する。近鉄グループの近鉄タクシー(大阪市)は、十一月にタクシー業界で初めてPiTaPaとNTTドコモグループの「iD」の二つの電子マネーが使える端末を導入し、「電車、タクシーを乗り継ぐ乗客の増加につながった」(総務部)という。

 今後、PiTaPaは「駅改札以外に物販などの『エキナカビジネス』や公共料金支払い、ETC(高速道路自動料金支払い機)、携帯電話などに利用が発展する可能性がある」(オムロン)という。決済利用の広がりで、十一月末現在ではPiTaPa会員数は九十一万人となり、「本年度中には百万人を突破する見込み」(スルッとKANSAI協議会)。

 一方、JR西日本のICOCAは十一月末で発行枚数が三百三十二万枚になり、さらなる利用拡大に向けて異業種との提携戦略を加速させている。

 十月には、セントラル警備保障(東京都)が提供するビルの「Suica(スイカ)入退館管理システム」でICOCAカードが利用できるようになった。同じく十月からパーク24(東京都)とも提携し、時間貸駐車場のタイムズ新大阪駅東口(大阪市淀川区)など四カ所の駐車場で使える。

 十月中旬には、イオンの「WAON」とNTTドコモ関西のiDとも提携した。三社の電子マネーの相互利用で利便性は高まり、京都、滋賀を含む近畿地区のジャスコなど四千二百店舗でICOCAの利用が可能になった。来年三月十八日には、Suicaとの電子マネーとしての相互利用も予定されている。これにより、利用可能な店舗網は関東も含め約三万店に拡大する。利便性の向上で普及に弾みがつきそうだ。

【2007年12月30日掲載】